東芝、3つの独立会社として再編 インフラ、デバイス、キオクシアら保有の3社に
東芝が各事業を分離し、3つの独立会社として再編する。インフラ事業を統括する「インフラサービスCo.」(仮名)、半導体やHDDを扱う「デバイスCo.」(仮名)、キオクシアと東芝テックの株式を保有する「東芝」の3社となる。
東芝は11月12日、同社の各事業を分離し、3つの独立会社として再編すると発表した。エネルギーなどのインフラ事業を統括する「インフラサービスCo.」(仮名)、半導体やデータセンター向けHDDを扱う「デバイスCo.」(仮名)、NANDメモリやストレージ製品を製造するキオクシアとPOSレジなどを手掛ける東芝テックの株式を保有する「東芝」の3社となる。
インフラサービスCo.は、エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、デジタルソリューション、電池事業で構成。発電システム、再生可能エネルギー、公共インフラ/鉄道/産業向けシステムソリューション、官公庁/民間企業向けITソリューションなどを提供する。
デバイスCo.は、デバイス&ストレージソリューション事業を基に、パワー半導体、光半導体、アナログ集積回路、データセンター向けHDD、半導体装置などを手掛ける。
インフラサービスCo.は2021年度に売上高2兆900億円を見込んでおり、23年度には2兆2300億円を目指す。デバイスCo.は21年度で売上高8700億円、メモリ転売分を除いて23年度は8800億円の売上高を計画している。特にパワー半導体は21年度の売上高950億円から、23年度に1200億円へのジャンプを見込む。
再編は、株主総会の了承や関係当局の審査要求事項を満たすことなどを条件に、2023年度下期の上場完了を目標にしている。
東芝の網川智社長CEOは「競争優位性をさらに高めるために、これまでよりも柔軟に商機や課題に対応する必要がある」とし、「今般のスピンオフ計画は、シンプルな構造による大きな価値の顕在化、専門的かつ俊敏な経営の実現、そして株主への選択肢の増加に貢献するもの」と説明。各社の経営を独立させてより機動的な意思決定を行うことで、事業の競争力を高めるとしている。
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