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“どんな匂いに感じるか”を定量評価する「官能評価AI」 人間頼りの作業を機械化
REVORNが、AIを活用して食品や化粧品などの匂いを感覚的に評価するシステム「官能評価AI」の提供を始めた。一定の品質で匂いを評価でき、製品開発を効率化できるとしている。
嗅覚に関する技術開発を手掛けるスタートアップ「REVORN」(東京都渋谷区)は11月24日、AIを活用して食品や化粧品などの匂いを「フルーティ」「フローラル」などの項目でスコア化するシステム「官能評価AI」の提供を始めた。一定の品質で匂いを評価でき、製品開発を効率化できるとしている。
あらかじめ、食品や化粧品などの匂いのデータと人間による評価をひも付けて学習させておけば、2回目以降は匂いセンサーとAIにより「フルーティ」「フローラル」「スパイシー」「ハーバル」「ロースティ」などの項目にわけて評価ができる仕組み。評価項目は自由に設定可能。飲料品、日用品などの開発やマーケティングでの活用を想定する。
製品開発時に専門人材が五感を使って品質を評価することを「官能評価」と呼ぶが、嗅覚はメカニズムが未解明な部分が多く、科学的な再現が難しいという。AIの活用により、評価者の経験や体調に左右されない判断ができるとしている。
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