検索
ニュース

タチコマのように並列化し進化する、 Google親会社の日常家事ロボットGoogleさん(2/3 ページ)

多くの企業が「メタバース」を喧伝する中、Googleの親会社はロボット事業をXから独立させました。AIを駆使し、タチコマのように並列化することで、汎用ロボット開発の可能性が開けたそうです。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 突破口は、やっぱりGoogleが得意とするAIでした。ロボットの行動をすべてプログラミングするのではなく、機械学習でロボット自ら学習し、成長していくようにするのです。Deep MindGoogle ResearchWaymoなどAlphabet傘下の他社と協力してロボットAIを開発しています。

 Everyday Robotsのロボットの見た目はとても無骨な感じです。車輪のついた箱みたいな土台に柱が立っていて、そこにかろうじて顔に見えなくもないカメラやセンサー搭載部分と、工場で見かけるようなアームが1本ついているだけです。

 robot
ロボットくん全身像

 でも、大事なのはその頭脳。与えられた課題をカメラやセンサーからのデータを使ってやってみて、うまく行ったら褒めてもらうことで少しずつ上手になる(強化学習)ように作られています。まずやらせたのはカフェのゴミの分別。Googlerのみなさん、頭の中がコーディングでいっぱいでトレイのコップやスプーンをちゃんと分別しないで捨てる人が結構いそう。

 training

 1日が終わると、こうして学習した結果を脳みそに入れた100体以上のロボットが学んだことをクラウドにアップし、タチコマたちのように並列化します。

 sleep
寝る場所に並んで並列化を始めるロボットたち

 仲間同士だけでなく、クラウドに待機している何万台ものバーチャルロボットにもデータを提供します。これらのバーチャルロボットは夜な夜なクラウド上の仮想カフェで黙々とゴミの分別の訓練をし、その結果をまたリアルなロボットが引き継ぎます。

 virtual
仮想空間で学習の続きをするバーチャルロボット(この画像のタスクはゴミの分別じゃなくてテーブル拭き)

 まるで人間が夢を見ながら体験を整理するみたいです。仮想空間なので、タスクを実行する環境の明るさやテーブルの高さや広さ、椅子などの障害物の配置を自在に変えて、無限に近いバリエーションの環境での学習を繰り返せます。こうして夢で訓練することで、それまでリアルロボットが50万回試行しないと成功できなかったタスクが5000回でマスターできるようになりました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る