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リンガーハット、“強じんな需要予測AI”開発へ 「災害などあらゆる非常事態に対応できる」
リンガーハットが、災害やパンデミックといった非常事態にも対応できる需要予測AIを開発すると発表した。問題が起きた場合に即座に緊急用の設定に移行することで、柔軟な対応を実現する。
リンガーハットは11月29日、地震などの災害や感染症拡大といった非常事態にも対応できる需要予測AIを、シリコンバレー発のAIベンチャー、PALO ALTO INSIGHT(米国カリフォルニア州)と共同開発すると発表した。災害などが発生した場合に即座に緊急時用の設定に移行することで、柔軟な対応を実現するという。
過去の販売実績や気象情報などを基に売上を予測するAIに加え、適切な在庫やスタッフの数を管理する「自動発注アプリ」「店舗シフト管理アプリ」を開発する。災害などが発生した場合には予測モデルを切り替えて対応する。
12月からリンガーハット社内で売上予測モデルの運用を開始。2022年4月から5月にかけては長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」、とんかつ専門店「濱かつ」の一部実店舗で開発したアプリのテスト運用を始め、22年秋には全国の店舗で本格導入する予定。
同社は2018年ごろからAIの活用を検討してきた。21年4月には、食材の必要数や在庫から発注する数を自動計算する「Web発注システム」を導入。新型コロナウイルス感染症の拡大により消費者の行動様式が変わったことを受け「あらゆる事態に柔軟に対応できる強じんな需要予測モデルの開発を決めた」(同社)という。
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