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鉛筆に万年筆のふりをさせる補助具が長く愛される理由 登場から14年が経過した「ミミック」:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)
ミミックがあらわれてから10数年。さらなる進化は自己否定的なところまできた。
鉛筆は長時間の物書きには向いていない
ものすごく身も蓋もない話をすると、鉛筆は長時間持って文字を書くのには全然向いていない。軸が細すぎるのだ。鉛筆はもともと画材として作られていたから、木炭などと同様に、デッサンなどにはとても向いているのだけれど、文章用ではないのだ。初代のApple Pencilが、鉛筆のサイズ感を踏襲していたのも、クリエイティブツールとしての「ペンシル」だという主張だったのだろう。
だからこそ、鉛筆を筆記具として使うなら、グリップや補助軸が欲しくなる。鉛筆用グリップは昔から売っているし、子ども用もある。その小さい手でも鉛筆の軸は文字を書くには細すぎるのだ。その意味でも、ミミックは大人の筆記具として鉛筆を取り戻そうという試みとなる。
補助軸だから、ボールペンユニットなどを使うことでボールペンやローラーボールにもなる。小筆などの軸を切って装着することも可能だ。
デジタルペンもなぜか細い軸のものが主流だが、現在のワコムのデジタルペンのカートリッジ部分はとてもコンパクトだから、短い鉛筆サイズのものを製作することも可能。そうなると、細い軸のデジタルペンも、ミミックで使えば持ちやすく高級感もある筆記具に変わる。
大人の遊び心が生んだミミックが、デジタルもアナログも横断して書きやすい環境を作るツールとして展開するとは、初めて見たときには想像もしなかった。一部のガジェット好きは最初から飛びついていたし、製品そのものに、こういう未来が内包されていたということなのだろう。
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