「GarageBand」にジャズドラマーがやってきた:GarageBandオンザラン
スタジオドラマー選び放題のGarageBand「ドラマー」に、ジャズが叩けるやつが2人加わった。
2年以上間隔が空いてしまったけど、GarageBandの連載再び。
iPad、iPhoneのGarageBand、MacのGarageBandやLogic Proには「ドラマー」という機能がある。特定のジャンルのドラミングが得意な「ドラマー」が何人もいて、その中からさらにスタイルを指定するだけでイントロからエンディングまで、フィルインを含めてたたいてくれるという超便利機能だ。スタジオミュージシャンを選び放題な機能と言っていい。
それに、新人が2人加わった。
iOS、iPadOS版のGarageBandにはSound Libraryという、バージョンアップせずに楽器やループを追加できるパッケージシステムがあり、「パック」が時々追加される。12月16日に加わったのは、「Brush Drummers」というパック。これに2人のジャズドラマーが含まれているのだ。
Appleとジャズドラマーは縁がある。
1990年代のアップルジャパンはMac'n Roll Night(マックンロールナイト)というイベントを毎年開催していた。Mac専門誌、広告代理店、ソフトウェア会社、さらにApple社員たちがバンドを組んで合戦をするという楽しいイベントで、そこにはジャズバンドもあった。それを率いていたのが、後にApple日本法人の社長となる原田泳幸氏である。筆者もMacUserという専門誌のバンドで出場し、優勝経験もある。
その原田氏はジャズドラマーで、今も楽しまれていると聞く。最近YouTubeチャンネルを立ち上げ、お元気そうで何よりだ。
脱線してしまったが、GarageBandにはそんなジャズドラマーが加わった。スティックをブラシに持ち替えて繊細なサウンドを出すドラマーはAustinとTyrellの2人。Austinはブラシは使うけどハードなドラミングをするので、いわゆる伝統的なジャズはTyrellの方だ。
そのための新たなドラムセットも用意されている。Blue RidgeとSpeakeasy。スネア、シンバル、ハイハットが柔らかいサウンドだ。こちらはシーケンサーで自由にプログラミングできる。ちなみにSpeakeasyってのは禁酒法時代の違法酒場。その時代のテイストを持ったジャズドラムということ。
これまでGarageBandでジャズサウンドを出そうとしても、ドラムはスティックの硬いサウンドしか出せず、ジャズドラミングのサウンドは他のソフトウェア音源のループを使ったりしていたのだが、これで、音楽の幅がグッと広がることになる。
ピアノ、サックス、ベースなど、ジャズに必要なループも多数追加されているので、ぜひ試してみてほしい。EDMのチルサウンドなんかにはこのサンプルだけでも有用かもしれない。
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