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「身内に使ってもらうだけ」なB2B SaaSスタートアップにならない方法 ユーザー課題の正しい見極め方(2/2 ページ)

B2B SaaSを立ち上げても、身内に使ってもらうだけではビジネスとして成立しない──こんな事態を避けるヒントは、業務に隠れた「ユーザーも知らない課題」にあるという。初期ユーザーの課題を見極め、入り口となる市場での局地戦に勝つ方法とは。

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「課題を抱える企業」を見失わないためにできること

 ただし、ユーザーの業務プロセスだけでは、入り口となる市場は決めきれない。「SaaSスタートアップの多くが失敗する理由は、業務に課題を抱えているのがどんな企業なのか、自分たちの知識を基に勝手に決め付けてしまうため」と田所CEO。

 ユーザーとして狙う企業の中から、自社の想定と同じ課題感を抱える企業がどんな属性を持つのか、ヒアリングを基に分析しなければ、利用が見込める企業にアピールできないという。

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企業の分類に使うシートのイメージ

 例えばガラパゴスの場合、まずは広告クリエイティブやランディングページを作っている企業を、内製か外注か、どんな業界に属しているか、大企業か否か──といった属性ごとに分類。次にその中から、業務プロセスから洗い出したものと近い課題を抱える企業の属性を、さまざまな企業にヒアリングしながら割り出した。

 すると「コンプレックス商材を提供し、その広告を内製しているメーカー」という属性を持つ企業が、ガラパゴスの想定と近い課題を抱えていることが分かった。それらの企業にヒアリングしたところ、プロダクトの利用に前向きな声が得られたため、実際の開発に進んだという。

 「仮説を立てると顧客のいる場所が分かり、サービスを作る前に『アイデアを売れる』ようになる。顧客が欲しいのはSaaSではなく、それを使ってこれまで気付いていなかった苦しみを解決すること。価値を提案できそうなら1行目のコードを書く──という流れが大事」(田所CEO)

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