4万円の自作キーボード1000台が1分で即完売 世界的に注目浴びる日本の開発者:ハロー、自作キーボードワールド 第11回(4/5 ページ)
日本発のキーボード設計者であり、今やキーボードの予約ページを立ち上げるたびに世界中から数千台の予約が殺到する、売れっ子デザイナーai03さん。作り出した背景やこだわり、今後のトレンドを聞く。
ai03 とにかく安く安くで始めて、今でもなんだかんだ安く安くの方針で動いてますからね。
結局手に取ってもらって、買って使ってもらえなければ何も始まらないですから、手の届く価格の範囲にあるっていうのはとにかく大切だと思います。私が出してるキーボードが安いとか周りからは言われるんですけど、個人的には高いと思っているんですよ。
Polarisなんかも最初はそれこそトップマウントでしたからね。あの頃はまだ悪い意味でケチる精神だったので、本当に全てをコストカットしていました。それを作り直してもうちょっとちゃんとしたものにして、初代Polarisになったわけですね。
用語解説:トップマウント
少し前の高級キーボードでよく採用されていた設計方法。Polarisが採用し現在主流となっている「ガスケットマウント」という方式に比べると設計やコストダウンをしやすい。
── 全部修正してやり直すことにしたわ、みたいな話を聞いた記憶があります(笑)
ai03 中途半端というか、本気で作られてないものにお金を出すのって腑に落ちないじゃないですか。せっかく自分のお金で買うんだったら、本当に考え尽くされたものを買いたい。だから自分もキーボードを設計するときはその精神でやってますね。自分が欲しくないモノを他人に押し付けるのは悲しくなるじゃないですか。
── Best Keyboard Designerに選ばれる理由が分かった気がします。
安価な入門機が次のトレンドに?
── 最後に次のキーボードのトレンド、これからしたいこと、未来の話をしたいなと思うんですが。
ai03 キーボードのトレンドはどうでしょうね……。最近は射出成形の安いキーボードキットが出てきて、大手PCパーツブランドが出すキーボードと、カスタムキーボードブランドの出す安いキーボードの差が結構近づいてきているんじゃないかと思いますね。なのでその価格帯は結構接戦になるんじゃないかと思っています。
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