「無双」「新次元」の次は? 2022年のデジカメに期待すること:荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/3 ページ)
各社のフラグシップ機が登場した21年。これまでの技術トレンドが進化し、性能を追求したデジカメが相次いだ。では22年にはどんなデジカメが出てくるのだろうか。
2022年はどんなカメラが出てくる?
動画の扱いも重要なトレンドだ。映像を録るのみならず、ライブストリーミングに対応したカメラも続々登場している。
ハイエンド機なら6Kや8Kといった高画素の動画を撮れたり、プロの映像クリエイターに向けた機能や拡張性を持つのが当たり前になっているが、EOS R3やZ 9はなんだかんだいって軸足を写真に置いたカメラだったと思う。
でもソニーのαIVは動画にも写真にも同じくらい力を入れた「ハイブリッドカメラ」を標榜してきた。
ハイエンド機以外に目を向けると、富士フイルムのX-E4、ニコンのZ fc、ソニーの「VLOGCAM ZV-E10」というAPS-Cサイズセンサーモデルが目立っていた。
Z fcはその個性的なスタイルで人気となり、ソニーはα6xxxをベースにより動画に軸足を置いたカメラで人気となり、どちらもエントリー機でありながらそのカメラならではの個性を持っていた。
そのへんを踏まえて2022年はどんなカメラが出てくるか、頭を悩ませてみたい。
キヤノンは……さすがにEOS R3の上にフラッグシップ機(EOS R1と呼ぶ人も見るけど、個人的に長年育てた「EOS-1」の称号を捨てるとは思えない)を投入、はないと思うので、EOS R/RPをリニューアルするとか、思い切ってエントリー向けにEOS Kiss R……というのは難しいか。
ソニーはα1のみならず主力モデルのα7IVや、新シリーズのVLOGCAMがすでに出てしまったので読みづらいけど、VLOGCAM系は出るかもしれない。α7CのVLOGCAM版とか。
個人的には電子シャッターオンリーモデルを出してきたら面白いと思っているのだけど。VLOGCAM系ならメカシャッターとっちゃってもいいんじゃない? という気もしてる。
ニコンは、Zマウントのレンズをより広げ、できればサードパーティにライセンスしてほしいと思ったりしてるのだが、カメラ本体という意味では、APS-Cサイズセンサーのもうちょっと上の高性能なモデルは出てきても驚かない。
個人的には賢くて速いAFとメカシャッターレス、でも縦位置グリップがないZ 7サイズのカメラが出ないかな、とは思ってるけど。
富士フイルムは「X-H1」の後継機(X-H2?)が噂されているけれども、写真に軸足を置いた高速なモデルになるのか、動画にもうちょっと軸足を置いたモデルになるのか。でもって、AFが動物や乗りものに対応してくるかどうかは気になるところ。
オリンパス、じゃない、OMデジタルソリューションズは「OM SYSTEM」というブランドを発表し、新しいカメラを開発していると表明しているので2022年に出てくるはず。
小さくて高性能なOM系の新シリーズではあるまいか。E-M7とかE-M2とか。
パナソニックは「GH6」が出てくるのは確定として(もう発表もされているし)、それ以外は読めないけど、最近の流れからして動画に軸足を置いたものになりそうだ。G100の上位モデルなども面白そうだ。
エントリーからミドルクラスがちょっと薄くなってきてるので、その辺に個性的で小型軽量のカメラが欲しいとは思うけど、難しいだろうか。
市場的には大変だろうけど、高性能なフラッグシップ機の登場に刺激されてミラーレス一眼市場(というかデジタルカメラ市場)が賑わってほしいな、多くの人にスマートフォンとデジタル一眼を併用して上手に使い分けて、本職カメラの楽しさを味わってほしいなと、思っております。2021年はよいハイエンド機が出たので、2022年はそれを見て新しくカメラを使いたい人が盛りあがるような製品(そういう意味ではソニーのZV-E10やニコンのZ fcは良かった)が出て、活性化しますように、だな。
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