勃起を監視するコンドーム型デバイス ペニスの長さと円周を測定、遠隔医療に活用:Innovative Tech(2/2 ページ)
韓国の漢陽大学校とKorea Electronics Technology Institute、Daegu-Gyeongbuk Medical Innovation Foundation(DGMIF)による研究チームは、勃起前後のペニスの長さや太さ、曲がり具合を測定するコンドーム型ウェアラブルデバイスを開発した。
CNTセンサーでは、市販のコンドームに対して、ペニスの長さを測定するためのCNTストリップを下部に、厚さを測定するためのCNTストリップを垂直に配置した。CNTは、柔軟性のあるラテックスでコーティングしている。CNTセンサーは、元の大きさより150%の長さの増加強度を持ち、長さや厚みの変化率を計測できる。
これらセンサーから取得したデータを無線でスマートフォンやPCに送信するモバイルヘルスケアシステムは、10個のLEDインジケーターや通信モジュールなどを組み込んだ電子基板で構成する。サイズは40mm×30mm×10mm、重量が1kg以下とコンパクトなため、クリップで衣服に着脱可能。そのため装着した状態で動き回れ、使用者の不便さを軽減する。
実験では、直径28mmから38mm、長さ90mmから135mmの平均的な勃起ペニスサイズ範囲に基づき、6つのモックアップサンプルを3Dプリンタで作成した。
E-textileセンサーで6つのサンプルを計測し、それぞれの出力データを測定値と比較したところ、誤差は±0.46%であった。
CNTセンサーでは、1.5cmを基準に150%拡張した2.25cmの長さになったときの抵抗値変化をそれぞれ測定し、抵抗値が10kΩから39kΩに変化することと、曲率比を左右の抵抗値の比率で求められると分かった。
Source and Image Credits: Heo, Yongki, Jinhyung Kim, Cheolung Cha, Kyusik Shin, Jihyoung Roh, and Jungki Jo. 2022. “Wearable E-Textile and CNT Sensor Wireless Measurement System for Real-Time Penile Erection Monitoring” Sensors 22, no. 1: 231. https://doi.org/10.3390/s22010231
関連記事
- 月経痛と血の漏れを体験できるVR、奈良女などが開発 電気と温度で症状を再現
奈良女子大学と甲南大学の研究チームは、月経症状を体験できるVRシステムを開発した。電気刺激による月経痛と、温度刺激による血の漏れ感覚を再現する方法で月経症状を再現する。 - テキストから御朱印を自動生成するシステム、筑波大が開発 寺社1000カ所以上から御朱印収集、データ化
筑波大学落合研究室の研究チームは、テキストから御朱印を自動生成する学習ベースのシステムを開発。訓練用のデータセットは、寺社1000カ所以上を訪問し取得した御朱印を基に大規模にデータ化した。 - ジョジョのキャラクター風に顔写真を変換する「JoJoGAN」 1枚の画像からAIが学習
米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームは、入力した1枚の顔画像を漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクター風に変換する機械学習フレームワークを開発した。「空条承太郎」など、作中のキャラクターに似せた顔に変換する。 - VRキャラクターに耳を「フー」してもらえるヘッドフォン、東大が開発 風源なしで温冷風を再現
東京大学 Human & Environment Informatics Labの研究チームは、物理的なファンによる風がないにもかかわらず、風の感覚を耳で得られるヘッドフォン型ウェアラブルデバイスを開発した。 - 作業中に「ツンデレ」されるとやる気は高まるか? メイドアバターで、奈良先端大が検証
奈良先端科学技術大学院大学の研究チームは、冷たい対応と優しい対応を組み合わせた動作「ツンデレ」が作業意欲にどのような影響を与えるかを検証した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.