「企業風土を変革」「安定稼働に必要な人材の配置」 みずほ、業務改善計画を公開
みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行が、多発するシステム障害を巡る業務改善計画を金融庁に提出した。計画書の中では「障害対応力の向上」「経営管理面での対応強化」「人材と組織の持続的強化」などの項目について改善策を示した。
みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行は1月17日、2021年2月以降に多発しているシステム障害を巡る業務改善計画を金融庁に提出した。計画書の中では「障害対応力の向上」「経営管理面での対応強化」「人材と組織の持続的強化」などの項目について改善策を示した。
みずほ銀行は改善策として、システム面では「障害の影響をテストで確認」「バグ情報の管理規定を明確化」「開発・リリースに関する規定を整備」「復旧マニュアルの改善と訓練の実施」などを実施。顧客対応についても「障害発生時の駆け付け体制強化」「SNSでの情報発信」など強化策を挙げた。
組織面でも「システムの安定稼働に必要な人材の配置」「現場の課題や実態を多面的に捉える仕組みの構築」「法令順守態勢の整備」「内部監査体制の強化」「IT 基盤・プロジェクト統括部の新設」「企業風土の変革」など多岐にわたる対策について説明した。
みずほFGはみずほ銀行の業務改善計画を検証する他、「人事制度の再構築」「リスク管理の強化」「内部監査体制の強化」「顧客・営業現場からの声を取り入れる仕組み作り」「グループ全体のガバナンス強化」「IT現場の実態把握」「取締役会・監査委員会の機能発揮」などを実行するとしている。
みずほFGとみずほ銀行は21年2月以降、10回ものシステム障害を発生させている。11月には金融庁から「日本の決済システムに対する信頼感を損ねた」「言うべきことを言わず、言われたことしかしない」などと評価された。
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