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NASAの宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ」、目的地のラグランジュ点に無事到達
NASAが昨年クリスマスに打ち上げた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が目的地の軌道に無事到達した。地球から約161万Km離れたラグランジュ点L2でこれから3カ月かけて機材を調整する。
米航空宇宙局(NASA)は1月24日(現地時間)、巨大宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope、以下「JWST」)」が、地球から100万マイル(約161万Km)の目標地点、太陽と地球系のラグランジュ点L2に到達したと発表した。
JWSTは昨年12月25日に打ち上げられた。目標地点に到達するまでの約1カ月間、折りたたまれた状態から徐々にミラーや日よけを広げ、1月8日には展開を完了している。
L2に到達したのは東部標準時の午後2時。機内スラスターを約5分発射して最終的なコース修正を行って軌道に載った。L2の周りを周回するこの軌道は、常に広い視野を確保でき、望遠鏡の機能に適した冷却も可能だとしている。
JWSTは軌道に留まるために、約20日ごとに2〜3分スラスターを発射する必要がある。そのため、望遠鏡の寿命は推進剤が尽きる10〜20年後とみられている。
これから3カ月かけて望遠鏡の光学系を「ほぼナノメートルの精度で」調整していく。NASAは、順調に行けば発射から約6カ月後(6月下旬)には最初の画像が送られてくると予想している。
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