ネタバレサイトの運営会社を書類送検 漫画のあらすじを無断配信
漫画作品の内容を詳細に説明する「ネタバレサイト」を運営していた法人と法人代表男性を、福岡県南署が著作権法違反の容疑で福岡地検に送致した。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は2月3日、漫画作品の内容を詳細に説明する「ネタバレサイト」を運営していたとして、法人と法人代表男性を、福岡県南署が著作権法違反の容疑で福岡地検に送致したと発表した。
この法人は、小学館が運営するWebサイト「裏サンデー」などで連載中の漫画「ケンガンオメガ」内のイラストやせりふ、あらすじなどをネタバレサイト「漫画ル〜無料漫画感想ネタバレビュー」で無断配信していたという。少なくとも、2019年1月から2020年5月まで同サイトを運営していたとみられる。
同サイトは閉鎖済みだが、米Internet Archiveのアーカイブ閲覧サービス「Wayback Machine」で内容を確認できる。同サイトの説明には「新連載や最新話のマンガの感想・ネタバレ・考察・批評・レビュー・予想して展開を楽しむサイト」とあり、無料で読める漫画の内容を文章で細かく紹介している。画像の転載もあるが、1記事当たり3点ほどで、引用元の作品名と作者は画像下に記載していた。
ACCSは「イラスト掲載は少ないながらも、せりふや情景をほぼそのまま抜き出し、ストーリーが詳細に分かるように掲載していた」と指摘している。小学館以外にも、多数の出版社の漫画作品を同様に掲載することでアフィリエイト広告収入を得ていたとACCSはみている。
NHKの報道によると、小学館は3日までに300以上のネタバレサイトを確認しており、削除要請や警察への相談を進めているという。また、せりふなどの文字起こしに着目して摘発した例はこれまでにないとしている。
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