Spotify、ジョー・ローガン氏の人種差別的コンテンツを削除 ローガン氏はInstagramで弁解
新型コロナ関連誤情報を配信する人気Podcastの放置で非難されているSpotifyが、当該Podcastの約70のコンテンツを削除した。削除したのは人種差別的な内容のもので、新型コロナ関連は残っている。
スウェーデンSpotifyが、独占契約する人気Podcast「The Joe Rogan Experience」(JRE)から約70のコンテンツを削除したと、The New York Timesをはじめとする複数の米メディアが2月5日(現地時間)に報じた。
JREのコンテンツ削除ウォッチングサイトJREMissing.comも削除を確認している。例えば2020年4月配信の#1458、コメディアンのクリス・デリア氏との対談回が削除されているのが確認できる。
JREについては、SpotifyがこのPodcastでの度重なる新型コロナウイルス関連の誤情報を拡散を黙認しているとして、批判が高まっている。
Spotifyのダニエル・エクCEOは1月30日、具体的なPodcast名は挙げなかったが、Podcastによるポリシー違反について説明した。同日、ローガン氏は自身のInstagramで誤情報配信について謝罪した。
だが、今回削除されたコンテンツは主に人種差別的な発言が含まれるものだけで、問題になっている「ワクチンは有害だ」などとゲストが発言している回は、コンテンツアドバイザリーが表示されはするものの、削除はされていない。
JREからコンテンツが削除されたという報道の後、ローガン氏はInstagramで約5分のメッセージ動画を公開した。このメッセージは、同氏が過去の番組でNワード(黒人に対する差別表現)を使っていたことについての弁解と謝罪だ。「私は人種差別主義者ではないし、コンテンツは人種差別についての話ではなかったが、ひどい内容なので削除することにした」と語っている。
米Bloombergによると、Spotifyはローガン氏との話し合いでローガン氏からのリクエストを受けてコンテンツを削除したという。削除されたコンテンツはすべて、Spotifyがローガン氏とJRE独占配信契約を結んだ2020年5月以前のものだ。
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