謎の文字列「1qaz2wsx」 漏えいした日本のパスワードに頻出するワケ:明日から使えるITトリビア
ソリトンシステムズが発表した「日本人のパスワードランキング2021」。その4位に「1qaz2wsx」がランクインしている。他のパスワードとテイストが若干異なるが、一体何の文字列だろうか。
ソリトンシステムズが発表した「日本人のパスワードランキング2021」。2021年に発生した209の情報漏えい事件から日本人が利用するパスワードを分析したもので、1位は「123456」、他は「password」や「000000」などよく見掛けるものだが、少し変わったものとして、4位に「1qaz2wsx」がランクインしている。
一見ランダムに生成されたものに思えるが、実際にキーボードをタイプしてみれば納得がいく。QWERTY配列のキーボードを左から縦2列打ち込むと「1qaz2wsx」となるわけだ。「qwerty」の亜種みたいなものだが、ランキングを見るとこの手の配列に沿ったパスワードが多いことが分かる。
同社はこうしたキーボード配列に限定したランキングも公表している。多くは数字の列を使ったものだが、1qaz2wsxやqwerty以外に「qwertyuiop」「zxcvbnm」「asdfrghjkl」など配列に沿って横にタイプしたものや、「qazwsx」「1q2w3e4r」のように、縦と横を交互に打ったものなども見られた。
パナマのセキュリティ企業であるNord Securityが発表した世界ランキングでも同様で、先述のものに加え、「qweasdzxc」や「qazwsxedc」といったものも見られた。打ちやすい配列をパスワードにするのは世界共通のようだ。
キーボード配列以外にも、ソリトンシステムズは漏えいパスワードからいくつかの特徴を見いだしてランキング化している。
まずは人名。1位は「sakura」、2位は「takahiro」、3位は「nakamura」、4位は「watanabe」、5位は「daisuke」、6位は「makoto」、7位は「hitomi」、8位は「haruka」、9位は「miyuki」、10位は「megumi」だった。sakuraとtakahiroは2年連続で1位と2位をキープしている人気ネームだ。
次は「好きなもの」カテゴリー。1位は「banana」、2位は「doraemon」、3位は「arashi」、4位は「himawari」、5位は「snoopy」、6位は「soccer」、7位は「samurai」、8位は「onepiece」、9位は「baseball」、10位は「radwimps」。ドラえもんと嵐の強さが分かる。
英NCSC(National Cyber Security Centre)の調査でも、スポーツやアニメ、ミュージシャンなどに関連するパスワードは多いと分析しており、国内外を問わずパスワードには似た傾向があるといえそうだ。
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