ファスト映画で逮捕の男性、メディアのインタビューで自己正当化する発言を繰り返していた 家宅捜索まで動画に
YouTubeに「ファスト映画」を無断アップロードしていた男性1人が著作権法違反の疑いで逮捕された。メディアのインタビューで自己正当化する発言を繰り返していたという。
宮城県警と塩釜警察署は2月15日、YouTubeで映画を短時間に編集した「ファスト映画」を無断でアップロードしていた男性1人を著作権法違反の疑いで逮捕した。海賊版対策を進めるコンテンツ海外流通促進機構(CODA)が明らかにした。
21年1月から7月にかけ、映画「パプリカ」「君の名前を呼んで」「パラサイト 半地下の家族」を権利者に無断で10分程度に編集し、YouTubeにアップロード。広告収入を得ていた疑い。
「パプリカ」は2006年公開のアニメ映画 © 2006 Madhouse, Inc. and Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All Rights Reserved.
男性は21年6月に日本で初めてファスト映画のアップローダーらが逮捕された際、アップロードしている1人としてメディアのインタピューを受けていた。このとき「20年4月からファスト映画の制作を始め、これまでに50本ほど投稿。毎月10万円、計150万円の収入を得た」などと話した他、YouTubeの「歌ってみた」動画などで音楽利用が包括的に認められている例やYouTubeが運用している「コンテンツID」の仕組みを挙げ、自身の行為を正当化する発言を繰り返したという。
CODAは「ファスト映画は前提となる権利者との包括契約がない。コンテンツIDは権利について許諾の判断をつけるものではなく、仮に収益化されていたとしても正式許諾があると認められるものではない」と指摘している。
さらに男性が21年12月に家宅捜索を受けた際、その状況をYouTubeのメンバー限定動画として公開し、視聴するために1カ月あたり500円の会員登録をするように呼びかけていたことも分かっているという。
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