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米バイデン政権、“デジタルドル”構想を含む暗号資産に関する大統領令
バイデン米大統領は、暗号資産のリスクとメリットの調査を政府に求める大統領令に署名した。デジタルドルに当たる中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究開発やデジタル資産による不正金融リスクの軽減を求める内容だ。
ジョー・バイデン米大統領は3月9日(現地時間)、暗号資産のリスクとメリットを調査するよう政府に求める大統領令に署名した。バイデン政権は、デジタル版ドルに当たる中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency;CBDC)の調査も求めている。
この大統領令は、以下の6つの主要な優先事項にわたるデジタル資産の国家政策を定めている。
- 消費者と投資家の保護
- 金融の安定
- 違法行為
- グローバルな舞台での米国の競争力
- 金融包摂(経済的に不安定な状況にある人々が基本的な金融サービスにアクセスできるよう支援すること)
- 責任あるイノベーション
違法行為に関する命令は、暗号資産によってもたらされる違法な財政と国家安全保障のリスクを軽減するために「前例のない協調行動のフォーカス」を求めるというもの。米政権は、ロシアによるウクライナ侵攻後、暗号資産がロシア制裁の回避手段に使われる可能性を懸念している。暗号資産事業を手掛ける米Coinbaseは7日、ロシアに関連する2万5000以上のアドレスをブロックしたと発表した際、「世界中の政府当局によるロシアへの制裁を全面的にサポートする」と語った。
デジタルドルに関しては、発行が国益とみなされる場合は、潜在的なCBDCの研究開発に緊急性を置くという。政府に対し、米国民の利益を保護する方法で、CBDCのインフラと容量のニーズを評価するよう指示している。
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