Google、ウクライナでAndroid端末に空襲警報システム展開
Googleはウクライナ政府の要請と支援を受け、ウクライナのAndroid端末向けの空襲警報システム「Air Raid Alerts」の展開を開始した。Androidに統合されており、アプリなどをインストールせずに利用できる。2020年に地震検知システム向けに開発した低遅延アラートメカニズムを採用した。
米Googleは3月10日(現地時間)、ロシアに侵攻されたウクライナの人々を支援するための取り組みの一環として、ウクライナ政府の要請と支援を受けて、Android端末向けの空襲警報システム「Air Raid Alerts」の展開を開始したと発表した。
ウクライナでは既に3月1日から、政府と協力する開発者による空襲警報アプリがAndroidおよびiOSのアプリストアで公開されているが、これはユーザーが自分でアプリをインストールしないと警報を受け取れない。新システムはAndroidに直接統合されており、ユーザーが設定しなくても警報を受け取れる。
このシステムは、同社が2020年8月に発表したグローバルな地震検知ネットワーク「Earthquake Alerts System」向けに開発した低遅延アラートメカニズムを採用している。端末のおおよその位置を使って空襲情報を送信する。
この機能は、ウクライナのAndroid端末で展開を開始しており、向こう数日間で完全に利用できるようになる見込みだ。
Googleは1日に発表した支援策に加え、以下の取り組みも発表した。
- 宿泊施設のビジネスプロフィールに難民支援フラグの追加が可能に
- ポーランドのワルシャワにあるスタートアップキャンパスに難民支援スペースを開設
- EU圏のGoogle Playストアからロシアの国営メディアアプリを削除
- ロシアを拠点とするすべての広告主向けの商業活動の大部分の一時停止
ただし、ロシアの一般ユーザー向けの検索、Gmail、YouTubeなどの無料サービスは、ロシア国民にグローバルな情報へのアクセスを提供し続けるため、引き続き稼働させるとしている。
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