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Adobeが考える「メタバース・レディな世界」の可能性 AR室長にインタビュー(1/3 ページ)

あちらこちらで聞こえてくる「メタバース」だが、クリエイティブツールの最大手である米Adobeも注視する領域だ。実際にどのような取り組みを進めているのか、米Adobeのステファノ・コラッツァ氏に聞いた。

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 メタバースが注目を浴びるということは、それを構築するための「道具」のニーズも大きくなっている。

 Adobeはクリエイティブ・ツールの最大手だが、メタバースで使われる技術や3D CGに関しても投資を続けている。3月16日(すなわち本日)からオンラインで開催される「Adobe Summit」でも、企業の「Metaverse Ready」を支援するビジネスの加速をアピールする。

 では具体的に、Adobeはメタバースをどう捉え、どう取り組もうとしているのだろうか。

 同社でメタバース・3D関連の事業を手掛ける、米Adobeバイスプレジデントでフェロー/AR室長でもあるステファノ・コラッツァ氏に聞いた。


Adobe・バイスプレジデントでフェロー、AR室長でもあるステファノ・コラッツァ氏

Adobeの考える「メタバース」とは

――メタバースは正確な定義をもつ言葉ではありません。Adobeはメタバースをどうとらえているのでしょうか?

コラッツァ氏(以下敬称略) まずこちらをご覧ください。これらは、ARからVRまで、メタバースをさまざまな側面から見たものではありますが、同時に、我々の見方でもあります。


コラッツア氏が提示した、Adobeの考えるメタバースの「4分類」

 メタバースは永続的なオンラインの場所と定義できます。そこには基本的に、永続性の他にも、人々のインタラクションもあります。人々や環境がお互いに相互作用し、永続性が実現されるわけです。

 ただ、必要であれば、メタバースそのものを4つのカテゴリーに分けることができます。

 一番左側は100%バーチャルなものです。VRの中にあるものですが、ヘッドマウント・ディスプレイのようなものを身につける必要があります。

 反対側にあるのが「AR」です。アップルがアプリで展開している部分ですが、現実の世界にARという1枚のレイヤーを被せた状態とも言えます。

 今のARは限定的な存在ですが、世界の地図にARのレイヤーを追加していくことで、ピンク色で示された領域になります。さまざまな可能性があり、現実世界と連携したメタバースの役割を果たします。

 最後の部分(サーモンピンク)は、現実世界のデジタル・コピーである「デジタル・ツイン」です。バーチャルであることに変わりなく、非常に自由度は高いのですが、現実世界のデジタル・コピーがベースになっているので、マッピングなどの面で制約があります。

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