本体でAIノイズ低減するピンマイク「Razer Seiren BT」がすごい(3/3 ページ)
Bluetoothピンマイクの「Razer Seiren BT」を購入した西田宗千佳さんがお気に入りのポイントを解説。
スマホやタブレットでの「Bluetoothからの録音」はどうするのか
課題は、各種アプリでどうSeiren BTを使うか、ということだ。
PCやMacの上でAIノイズ低減を使って録音したりビデオ会議をしたりするのは簡単だ。だが、スマホやタブレットで同じことをするのは簡単ではない。
一番楽なのは、Bluetoothに対応したアプリを使うことだろう。
例えば、日本語音声認識を備えた「Pixel 6」と組み合わせれば、クリアーな音質と自動書き起こしを両立できる。レコーダーアプリで録音中の画面で一番下をタップし、デバイスを切り替えることで、Seiren BTからの入力が録音できる。
iOS/iPadOSの場合、別のやり方もある。
「アクセシビリティ」の「タッチ」の中にある「通話オーディオルーティング」で「Bluetooth」を選ぶと、あらゆる音声入力がBluetooth経由のものになるので、入力先切り替えのないアプリでも、Seiren BTをはじめとしたBluetoothマイクから録音できるようになる。ちなみにこの設定のままでも、Bluetooth機器がつながって「いない」時は内蔵マイクに切り替わるのでご心配なく。
例えば筆者の場合、iPad版「Notability」での活用が捗る。
MacとiPad上でメモを残すのに使っている「Notability」には、タイプと録音を同期して記録する機能がある。だが、iPad版には音声入力ソースを切り替える機能がない上に、Macのように「音声入力すべてから自動的にノイズを低減するアプリ」もない。そのため、Mac版のように工夫して「タイプ音や環境音を消す」ことができなかった。
しかし、Seiren BTと前出の「通話オーディオルーティング」を組み合わせると、iPad版のNotabilityでも、タイプ音の聞こえない、クリアーな音声の取材メモを「タイプしながら」残せるようになる。
AndroidにしろiOS/iPadOSにしろ、ももう少し分かりやすく、簡単な操作があれば……と思う。「音声出力」は切り替えられても、「音声入力」の切り替えは面倒だ。この辺は、PCとスマートデバイスで性質が異なる部分かとも思う。
どちらにしろ、これで、いろいろなデバイスを使い分け、「環境ノイズの少ない音声録音」を残すことが可能になるので、正直大助かりだ。
若干気掛かりなのは、Seiren BTの動作時間が「AIオフで6時間」と、ちょっと短めなこと。まだ実際の取材に利用してはいないので、AIオンでどのくらい短くなるのかは分からない。だが仮に4時間まで短くなるとすると、1日数件の取材には不安……という感じだろうか。USB Type-Cで充電できるので、なんとでも解決はできそうではあるのだが。
とりあえずこれから、取材に本格的に使ってみようと思っている。
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