スマホにマイナンバーカード機能、22年度末までに 推進団体は「日本が世界のデジタル革命を先導する」
2022年度末までに、スマートフォンへのマイナンバーカード機能が実装される。同機能の官民での利用を推進する、デジタルアイデンティティ推進コンソーシアムの松田学代表理事は「日本が世界のデジタル革命を先導する」と活動への意気込みを話す。
2021年にデジタル改革関連法が成立し、22年度末までに、スマートフォンにマイナンバーカード機能が実装されることが決まった。これにより、マイナカードを使った個人認証機能がスマホで行えるようになるという。
同機能の官民での利用を推進する、デジタルアイデンティティ推進コンソーシアム(DIPC)の松田学代表理事は「(この機能を通して)日本が世界のデジタル革命を先導する」と活動への意気込みを語る。
DIPCは、21年5月に設立した一般社団法人。日本発の認証基盤として、スマホ上での公的認証基盤の利用を民間や地方自治体とともに検討、促進していくことを目的にしている。松田政策研究所の代表で、元衆議院議員の松田学氏が代表理事を務め、情報セキュリティ大学院大学の客員准教授を務める、辻秀則氏ら4人が理事に就いている。
個人認証機能では、マイナンバーの「公的個人認証サービス」をスマホで実現する。この機能を利用する際に個人番号は使わず、マイナカードとは別に、スマホ用の2種類の電子証明書を使う。
スマホをタッチする度に、新しい電子証明書を発行し、本人認証を行う。辻理事は「電子証明書は、スマホのICチップに格納される。そのため、情報が漏れることはないし不正利用はできない」と安全性を説明する。
また辻理事は「億人単位の人口の国で、これだけ大規模な国民IDの電子化を進めるのは、世界に先駆けた事例だ」と話す。「情報格納するのは、ソニーの『FeliCa』を使ったICチップになる。この技術とセキュリティモデルを組み合わせて安全性を担保するのは、日本発ならでは」(辻理事)と日本の独自性をアピールした。
現状では、公的個人認証サービスを事業者が利用するには、認定事業者として登録する必要がある。今後DIPCでは、マイナカードの機能のスマホ搭載に向けて、民間事業者の利用率向上のため、安全性を失わないように登録制度の見直しを行うなど、利用促進のための活動を続けていくとしている。
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