Final Cut Proの「声を分離」がすごい Mac Studioユーザー以外でも使える3つの新機能:小寺信良のIT大作戦(3/3 ページ)
iPhoneで撮影してiMovieで粗編集、Final Cut Proで仕上げというフローが出来上がった。
プロジェクトファイルの書き出しは、一旦プロジェクト選択画面まで戻って、書き出し機能を使う。「オプション」部分からビデオかプロジェクトを選択できるので、ここをプロジェクトへ変更する。
Mac上ではiMovieのプロジェクトファイルが1つだけ転送されるが、このファイル内にプロジェクトで使用した動画データも含まれている。よって長い動画を含む場合は、プロジェクトファイルがかなり大きくなる。しかしプロジェクトと素材がバラバラになってどこに行ったか分からなくなる心配がないというメリットもある。
あとはこれをFCPの「読み込む」からロードするだけで、編集済みのタイムラインが展開される。
ただ厳密にまったく同じかというと、細かい部分が違っている。例えば音楽と動画クリップの音量バランスは、iMovieで調整した結果がリセットされてしまっている。またトランジションエフェクトも、種類は合っているが色が違うなど、細かい部分でまだ完全に互換が取れていないところがある。
それでもiPhoneで撮影してちゃちゃっと編集、アップロードという流れの中に、それでは上手く行かなかった部分のちょっとした補正がMacでできるというのは、実は小さくない話ではないだろうか。特にテロップなどは、iMovieではフォントの扱いがいまいちな部分があるが、Mac上のFCPなら細かく調整できる。
取材から帰りの電車内でiPhoneでざっくりつないでおき、帰ったらMac Studioで仕上げる、みたいなワークフローも考えられる。すごい勢いでAppleに巻き取られている人みたいな感じだが、巻き取られているからこその、「何も考えなくていい」ワークフローである。
動画編集は少し前までは、iPhone→iPadという流れだったが、今はiPhone→Macという流れがむしろスタンダードになりつつある。そうした面でも、「純正ツールの強さ」をきちんと把握した上でワークフローを考えた方がコスパが高い。
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