漆黒の一眼レフ、PENTAXの一風変わったクラウドファンディングが好調
「すごい……本当に真っ黒」。リコーイメージングが一風変わった一眼レフカメラのクラウドファンディングを実施して注目を集めている。
「すごい……本当に真っ黒」「欲しくはあります。コレ(お金)次第ですね」──光学機器メーカーのリコーイメージングが一風変わった一眼レフカメラのクラウドファンディングを実施している。ブランドロゴまで黒くした漆黒のモデル「PENTAX K-3 Mark III Jet Black Edition」(以下、Jet Blackモデル)だ。
3月下旬にクラウドファンディングサイト「うぶごえ」で公開したプロジェクトはカメラ好きの注目を集め、4月下旬までに目標の倍となる1983万6480円を集めた。Jet Blackモデルの支援価格は30万円(税込)で、支援購入者には7月下旬から順次発送するという。プロジェクトの期限は27日午後11時59分まで。
通常、同社の一眼レフはペンタ部に白いブランドロゴがあり、操作ダイヤルやボタンにも機能を示す表記が様々な色で入っているが、Jet Blackモデルは真っ黒だ。企画担当者はその理由について「写真撮影の現場では白いロゴなどの視認性の良さが求められないケースも多々ある」と説明する。
例えばマクロ撮影時にカメラが被写体に写り込むときなどは黒いテープでロゴを隠すケースがある。操作ダイヤルをカスタマイズする人にとっては初期設定がじゃまな場合もある。真っ黒な一眼レフを出せば「確実に興味を持つ人がいる」と考えた。
ただし単に塗装や印刷を減らしただけでは製品としての魅力に欠ける。Jet Blackモデルではロゴ部分を目立たないチャコールブラックで印刷し、ダイヤルの機能表示には墨入れを施した。十字キーの機能表記なども併せ、“目立たない黒”に置き換えた。レンズも同様。「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」は、赤いリングをブラックアルマイト仕上げにするなどカメラと同様の手法で仕上げて一体感を持たせている。
冒頭のコメントはプロジェクトページに掲載した動画でJet Blackモデルを初めて見たPNNTAX社員の声。これまでの常識からはみ出た製品は社内で驚きと好感を持って迎えられたようだ。さらに動画ではリコーイメージングの赤羽昇社長にも製品を見せ「黒いな、炭みたいだな」とお墨付きをもらった。
クラウドファンディングを企画した目的は、カメラ愛好家の「小さくても熱い要望」に応えること。「こだわりを持つ写真愛好家はカメラ選びの基準も多様化し、制約の多い量産品でそれに応えるのは難しい。ニーズとしては多くないが、実現すれば写真をもっと楽しめる要望に応えられるものづくりを実現したい」。
関連記事
- スマホ並みに快適になった360度カメラ、リコー「THETA X」
とうとうモニターが付いた! 新しく出るリコー「THETA X」は2.25型の液晶モニターを装備したのである。しかもスマートフォンのようにタッチ操作できる。その快適さを紹介したい。 - リコーの360°カメラ「THETA X」登場、国内はネット直販中心に 業務用は“SaaS+a Box”展開
リコーが「THETA(シータ) X」を国内で発表した。4月からの流通が変わるため、一般ユーザーは直販サイトで購入するケースが中心になりそうだ。 - これぞ一眼レフ ペンタックス「K-3 III」で味わうファインダーをのぞく楽しさ
2021年春、久々に一眼レフらしい一眼レフが登場した。リコーイメージングのPENTAX「K-3 Mark III」だ。 - 50年ぶりの「OM-1」は王道進化を遂げたOM-Dだった
1972年の初代「OM-1」(当初はM-1)から50年という節目に登場した21世紀の「OM-1」。発表時にほんのちょっとだけ触る機会を得たのでそのリポートをお届けしたい。 - 大胆なマウント変更で躍進 キヤノン、一眼レフの歴史
「EOS SYSTEM」が35周年を迎えたのである。今まで何かきっかけがあると、そのメーカーの歴史的なカメラを振り返ったりしてたので、今回はキヤノンである。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.