Amazon決算は増収減益 数年ぶりの赤字に
Amazonの1〜3月期決算は売り上げは7%増だったが38億ドル以上の純損失となった。投資先のRivianの株価下落の影響もあるが、主力のネット通販の売上高が3%減になった。AWSは2桁台の増収だ。
米Amazon.comは4月28日(現地時間)、第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。売上高は前年同期比7%増の1164億4400万ドルで、38億4400万ドルの純損失(1株当たり7ドル56セント)だった。前年同期は81億700万ドルの純利益だった。純損失には、出資している米電気自動車企業Rivian Automotiveの株価急落による76億ドルの損失が含まれる。赤字になるのは2015年第3四半期以来だ。
売上高の伸びはここ数四半期2桁台だったが、前四半期から1桁に鈍化した(前四半期は9%)。第2四半期の売上予測は1160億ドル〜1210億ドルとしており、これは前年同期比3〜7%とさらに鈍化することになる。Amazonは7月にプライムデーを開催する予定で、この売上高予想にはプライムデーも含んでいる。
アンディ・ジャシーCEOは発表文で「新型コロナによるパンデミックは異常な成長をもたらしたが、ウクライナでの戦争は課題をもたらした」と語った。フルフィルメントセンターの生産性とコスト効率の向上に取り組んでいるが、「継続的なインフレとサプライチェーンの圧力に対処しているため」、「これには時間がかかる」とジャシー氏。
クラウドサービスのAWSの売上高は37%増の184億4100万ドルと引き続き好調だったが、主力のネット通販は3%減の511億2900万ドルだった。
広告の売上高は23%増の78億7700万ドルだった。アマゾンプライムなどのサブスクリプションサービスの売上高は11%増の84億1000万ドルだった。
関連記事
- Amazon.com初の労働組合結成 Amazonは「失望した。異議を申し立てる」
Amazon.comのニューヨーク市のフルフィルメントセンターで、同社初の労働組合が誕生した。投票結果は僅差で、Amazonは意義を申し立てるとしている。組合はAmazonに対し、即時交渉を求めている。 - Amazon、MGMの買収を完了
Amazonは昨年5月に発表した映画製作会社MGMの買収を完了したと発表した。買収総額は84億5000万ドル。MGMは「007」シリーズや「ロッキー」シリーズなどで知られる。 - アマゾンプライム年会費、米国で17%値上げへ 2月18日から119ドル→139ドルに
米Amazon.comは、米国での「アマゾンプライム」の会費を2月18日から値上げすると発表した。月会費では12.99ドルを14.99ドルに、年会費では119ドルを139ドルにする。「プライム会員の特典の継続的な拡大と、賃金および輸送費の上昇」の影響としている。 - Amazon、売上高は過去最高も予測に届かず 純利益98%増は出資先Rivianの上場益
Amazon.comの10〜12月期決算は売上高は9%増、純利益は98%増だった。純利益には出資先の電気自動車企業Rivian上場による株式評価益が含まれる。2月以降に米国のプライム会費を値上げすることも発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.