Google、AR端末向けディスプレイ技術を手掛けるRaxiumを買収
GoogleはAR端末向けディスプレイ技術のRaxiumを買収したと発表した。Appleなども開発しているマイクロLEDを手掛ける新興企業だ。Googleは「Project Iris」下、2024年にはAR製品をリリースするとみられる。
米Googleのデバイス&サービス担当上級副社長、リック・オステルロー氏は5月4日(現地時間)、小型ディスプレイ技術を手掛ける米Raxiumを買収したと発表した。取引の詳細は公表していないが、米Informationはこの件を3月に報じた際、買収総額を約10億ドルとしていた。
Raxiumは2018年創業の、カリフォルニア州フレモントに拠点を置く非公開企業。AR/VR/MR端末に欠かせないディスプレイ用の小型発光ダイオードなどを開発している。同社のWebサイトによると、「世界最高性能の超高密度モノリシックRGBマイクロLEDディスプレイ」を開発しており、そのディスプレイ技術は「現在の世界記録より5倍効率的」という。
The Informationによると、マイクロLED技術は他のディスプレイ技術よりもエネルギー効率が高く、色彩豊かなARディスプレイの構築に役立つという。ジャパンディスプレイや中国Oppo、米Appleもこの技術の開発に取り組んでいる。
オステルロー氏は「Raxiumの小型高解像度ディスプレイの技術的専門知識は、Googleのハードウェアへの投資を継続する上で重要な役割を果たす」とし「人々の日常生活の改善に役立つデバイスとサービスを構築するというわれわれの目標をさらに推進できる」と語った。
Googleは2020年にスマートグラス(ARメガネ)を手掛けるカナダのNorthを買収した。同社は独自スマートヘッドセットの2024年発売を目標に、「Project Iris」プロジェクトに取り組んでいると報じられた。このヘッドセットは、搭載するカメラの映像とグラフィックスをブレンドする没入型のMRを提供する端末になるという。
関連記事
- Google、ARヘッドセットの2024年発売を目指す「Project Iris」推進中との報道
GoogleがARヘッドセットの「Project Iris」を進めているとThe Vergeが報じた。2024年の発売を目指しているという。チームを率いるのはDaydreamのクレイ・ベイバー氏。 - メタバースを声高にうたわなくてもGoogleは静かに進む
Meta(Facebook)の「メタバース」宣言に続いてMicrosoft、Niantic、Unity、Qualcommなどが一斉にこのバズワードを掲げる中、VRもARも手掛けてきたGoogleの動きは? - Google、初オリジナルモバイルSoC「Google Tensor」発表 「Pixel 6」に搭載
Googleが次期フラグシップ「Pixel 6/6 Pro」を発表した。オリジナルのSoC「Google Tensor」を搭載する。Gogole Tensroは、4年を費やしてTPUのチップをモバイルに最適化したSoCだ。 - Google、恥ずかしくないスマートグラスのNorthを買収 「Focal 2.0」は出ない
Googleが、スマートグラス「Focals」を販売するカナダのNorthを買収した。ハードウェアとサービスで構成するアンビエントコンピューティングの構築に参加する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.