Google、恥ずかしくないスマートグラスのNorthを買収 「Focal 2.0」は出ない
Googleが、スマートグラス「Focals」を販売するカナダのNorthを買収した。ハードウェアとサービスで構成するアンビエントコンピューティングの構築に参加する。
米Googleは6月30日(現地時間)、スマートグラス(ARメガネ)を手掛けるカナダのNorthを買収したと発表した。Googleのハードウェア担当上級副社長、リック・オステルロー氏は「Northの技術はわれわれの“アンビエントコンピューティング”の取り組みに役立つ」と語った。
アンビデントコンピューティングとは、個々の端末を意識せずに、環境(アンビエント)全体をコンピュータのように操作できることを指す。オステルロー氏が昨年10月の「Made by Google」イベントで提唱した。
Northは2012年創業のオンタリオ州キッチナーに拠点を置く非公開企業。立ち上げ当時はThalmic Labsという企業名でアームバンド状のガジェット「MYO」などを開発・販売していた。2018年にスマートグラス「Focals」を北米で発売。2019年にMYOの特許をCTRL-labsに売却し、CTRL-labsは同年、米Facebookに買収された。
Northは年内に新しいスマートグラス「Focals 2.0」を発売すると予告していたが、Googleに買収されたことにより、現行のモデルの販売を終了し、Focals 2.0も発売しないと発表した。
Northのチームは買収完了後、Googleのキッチナーオフィスに参加する。オステルロー氏は「Northが、便利なハードウェアとサービスを構築するための広範な取り組みに参加することを嬉しく思う」としている。
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