米超党派上院議員、Googleの広告事業分割を狙う新法案を提出
米国の超党派上院議員は新たな法案「Competition and Transparency in Digital Advertising Act」を提出した。企業によるオンライン広告事業参入を1つの領域に絞ることを義務付けるもの。法制化されればGoogleやMetaは広告事業をスピンオフしなければならなくなる可能性がある。
米国の超党派の上院議員は5月19日(現地時間)、米Alphabet傘下のGoogleやMetaなどにオンライン広告事業のスピンオフを強制する可能性のある新たな法案「Competition and Transparency in Digital Advertising Act」(デジタル広告における競争と透明性に関する法)を提出した。
共和党のマイク・リー議員、テッド・クルーズ議員、民主党のエイミー・クロブシャー議員、リチャード・ブルーメンソール議員らによるこの法案は、1企業が参入するオンライン広告事業の領域を1つに絞ることを義務付けるというものだ。対象となるのは、オンライン広告関連の売上高が年間200億ドルを超える企業となっており、Google、Meta、Amazonがこれに該当する。
Googleは広告の売り手と買い手の両方として同時に機能しており、それは市場での不当な優位性をもたらすと批判されている。
Alphabetの第1四半期の業績では、売上高680億1000万ドルのうち546億8000万ドル(約80%)が広告収入だった。
Googleは米CNBCなどに対する声明文で「(Googleの)広告ツールを壊せばパブリッシャーと広告主の双方が傷つき、広告の品質は低下し、新たなプライバシーリスクが発生する。(中略)要するに、これは間違った法案だ」と語った。
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