スマートニュース子会社運営の「SlowNews」、サービス停止へ 事業モデルを磨いて仕切り直し
スマートニュース傘下のスローニュースは、調査報道とノンフィクションの読み放題サービス「SlowNews」についてサービスを停止すると発表した。一旦サービスを閉じて事業モデルを磨き上げ、改めて調査報道のエコシステムを構築するという。
スマートニュース傘下のスローニュースは5月25日、調査報道とノンフィクションの読み放題サービス「SlowNews」について、7月31日にサービス停止すると発表した。5月30日に新規申し込みやアプリのインストールを停止。6月30日に新規コンテンツの更新を終了する。
既存ユーザーは、5月30日以降の更新タイミングで順次自動的に解約するため、その後の支払いは発生しない。5月30日時点で、有料会員または、無料お試し会員は7月31日まで無料で利用できるという。
調査報道集団「Bellingcat」の翻訳記事を含む、一部の既存コンテンツはスローニュース公式noteで無料配信する。後継サービス登場までは、新規コンテンツも公式noteで公開するという。公式TwitterでもSpaceのイベントなどを開催予定。
SlowNewsは、「調査報道を支えるエコシステムをつくる」をテーマとして2021年2月にスタート。オンライン以外に、出版予定も含め10冊以上の書籍も手掛けてきたという。しかし、調査報道の支援を継続できても、「エコシステムの実現には道のりが遠かった」としている。
SlowNews終了後も、調査報道の実務支援やジャーナリストの育成は継続。調査報道に取り組むジャーナリストを支援する「調査報道支援プログラム」や、すぐれた調査報道を表彰する「調査報道大賞」、ジャーナリスト向けの「調査報道スキル講座」やイベントも引き続き開催する。
同社は、事業モデルを磨き上げ、「あらためて、調査報道のエコシステムをなんとしてもつくりあげることをお約束します」と宣言している。
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