DuckDuckGo、WebブラウザがMicrosoftのトラッキングだけ許していたことについて説明
DuckDuckGoのWebブラウザがMicrosoftにだけユーザー追跡を許しているという指摘に対し、CEOはこれを認め、理由をRedditで説明した。検索シンジケーション契約上の制約によるものだが、制約軽減について話し合い中としている。
「あなたを追跡しない検索エンジン」を謳う米DuckDuckGoが提供するWebブラウザが、米MicrosoftのWebサイトにユーザーのトラッキングを許していると、プライバシー研究者のザック・エドワード氏が5月22日(現地時間)、ツイートで指摘した。これに対し、DuckDuckGoのガブリエル・ワインバーグCEOは25日、Reddit上で状況を説明し、アプリストアの概要欄にも説明を追加した。
DuckDuckGoのWebブラウザは同社の検索エンジン同様にプライバシー保護を重視しており、アプリストアでも「トラッキングに悩んでいるなら、当社におまかせ」としている。
だがエドワード氏によると、このブラウザは米Metaや米Googleなどのトラッカーは阻止している一方、MicrosoftのBingやLinkeInなどのWebサイトにはユーザー追跡を許しているという。
ワインバーグ氏はこれを認めたが、エドワード氏が指摘するのは「ほとんどのブラウザが行おうともしない、サードパーティのトラッキングスクリプトをサードパーティのWebサイトで読み込まないようにするという高度な機能」についてであり、サードパーティのcookieブロックなどはMicrosoftのサイトにも適用していると説明した。
高度な機能については「Microsoftとの契約上の制限を受けている」のでMicrosoftのサイトに適用していないが、「この制限を取り除くためにMicrosoftと話し合っている」という。
Microsoftとは検索シンジケーション契約を結んでいる。この契約で、DuckDuckGoは独自のインデックスに加えてBingの結果も使うことができ、より良い検索結果を提供できているとワインバーグ氏は説明する。「GoogleとMicrosoftの2社だけが高品質のグローバルインデックスを持っているため、(DuckDuckGoのような小規模企業は)この2社のいずれかを使わざるをえない」。
「われわれの製品が完璧ではないことは分かっているし、今後もそうはならないだろう。100%の防御を提供できるものではない。(中略)だが、われわれの製品はシンプルなプライバシー保護を求めるユーザーにとって、全体的には最高のものであると信じている」(ワインバーグ氏)
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