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シェアサイクル「Charichari」(旧メルチャリ)が熊本進出 経済活性化に市が期待、利用環境には課題(2/3 ページ)

旧メルチャリこと「Charichari」が、熊本市でシェアサイクルサービスを始めた。同市初のシェアサイクル事業とあり熊本市は地域経済の活性化に期待を掛けるが、利用環境を見てみると普及には課題もありそうだ。

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JR熊本駅に隣接するアミュプラザ熊本のポート

空港連絡バスも発着する熊本桜町バスターミナルのポート

 駅やバスターミナルのポートは、改札や乗り場の至近にも設置されているため、鉄道・市電・バスとの連携を考えた利用設計がなされていると言っていいだろう。

上熊本駅(市電)のすぐ近くにポート設置藤崎宮前駅は改札を出てすぐの場所にポートがある 上熊本駅(市電)のすぐ近くにポート設置(左)、藤崎宮前駅は改札を出てすぐの場所にポートがある(右)

 ポートは市内の公園や民間の賃貸マンション、協力企業の敷地内にも設置されており、観光だけでなく市民の日常的な交通手段としても役立ちそうだ。

自転車道はほぼなし ルールと道路両輪での整備を

 市内エリアはバスや市電などの公共交通も充実している。しかしこれらの公共交通では目的地に少し遠かったり、道路渋滞が激しい時間帯は通常よりも時間がかかったりする場合もあることから、シェアサイクルの恩恵は受けられそうに思える。

 ただし、実際にCharichariで熊本市内を移動してみると、市内の交通環境は“自転車フレンドリー”とは現状言いがたい。例えば、車道に自転車専用通行帯や自転車道などが整備されている道路を見掛ける機会はほぼない。このためか、車道と歩道が分けられている道路であっても、大半の自転車が車道ではなく歩道を走行している。


自転車と歩行者用のエリアが分けられた歩道(熊本市内)

 自転車の歩道走行については、「自転車は原則として車道」のルールがあまり徹底されていない点や、車道に自転車が走りやすい通行帯やガイドなどが整備されていない点、車道通行によって自転車側のリスクが大きくなるなど、複数の課題がある。

 熊本市内に限った問題ではないが、シェアサイクルの普及とともに自転車が走行しやすい道路空間が整備されれば、シェアサイクルを含めた自転車での移動がより便利になる。ルールと道路の両輪での環境整備に期待したい。

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