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富士通、6G実用化に向けドコモ・NTTと共同実験 100Gbps超の安定通信目指す
次世代通信規格「6G」の実用化に向け、富士通がNTTドコモ・NTTと共同実験。100GHz帯・300GHz帯の電波を使い、100Gbpsを超える高速無線通信を安定して実現する技術の開発を目指す。
富士通は6月6日、2030年ごろの実用化が期待される次世代通信規格「6G」の実用化に向け、NTTドコモ・NTTと共同実験を行うことで合意したと発表した。
100GHz帯・300GHz帯(サブテラヘルツ波)の電波を使い、100Gbpsを超える高速無線通信を安定して実現する技術の開発と、化合物半導体を活用した高周波無線装置の実現を目指す。
高速・大容量通信には広い周波数帯域を使う必要があり、6Gでは100GHzを超える高周波数帯の利用が検討されている。ただ、高周波数の電波は障害物で遮へいされやすいため、離れた地点間で通信が難しくなる傾向にある。
実験では、複数のサブテラヘルツ波アンテナを分散配置し、様々な方向から同時に電波を発射する「分散MIMO」を活用することで、遮へいに強く、100Gbpsを超える高速無線通信を安定して実現する技術開発を目指す。
また、サブテラヘルツ波での高速・大容量通信を小型・低消費電力で実現すべく、窒化ガリウム(GaN)やインジウムリン(InP)などの化合物半導体を活用した高周波無線装置の開発を目指す。
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