ふるさと納税で現金バックの「キャシュふる」、サービス終了 金子総務大臣の「趣旨に反する」発言受け
ふるさと納税の返礼品の代わりに現金が受け取れるとして波紋を呼んでいる「キャシュふる」がサービスを終了した。サービス発表後2日での幕引きとなる。
ふるさと納税の返礼品の代わりに現金が受け取れるとして波紋を呼んでいる「キャシュふる」がサービスを終了した。運営会社のDEPARTURE(東京都新宿区)が6月10日に発表した。サービス発表後2日での幕引きとなる。
金子恭之総務大臣は10日開いた会見で、キャシュふるのサービスについて「ふるさと納税は、故郷やお世話になった自治体に感謝し、応援する気持ちを伝える、または税の使い道を自らの意思で決めることを趣旨とする制度。返礼品は、寄付を受け入れた自治体がお礼の気持ちを表すためのもので、代わりに現金を受け取ることは制度の趣旨から大きく外れる。担当部局に対応の検討を依頼した」と話していた。
これを受けてDEPARTUREは「金子総務大臣の発言を重く受け、ご返金も完了したご利用状況を鑑み、2022年6月10日をもってサービス終了とさせていただきます」と説明。「総務省、自治体の皆さまをはじめ、関係各所の皆さまにご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
キャシュふるは「返礼品がいらない人と返礼品が欲しい人をマッチングするプラットフォーム」として、ふるさと納税に関する業務をユーザーから受任。ユーザーから寄付金額分を集金、同社から自治体に寄付を申し込むことで得られた返礼品を欲しい人に販売。その売り上げから手数料を引いた金額をユーザーに渡すというサービス内容だった。
Twitterでは「黒に近いグレーなサービスが出た」「3店方式じゃないか」など、疑問の声が出ていた他、9日には提携関係のない自治体の名称を同サービスのWebサイト上で無断掲載したとして謝罪していた。
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