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コラム

さようなら、全てのインターネット・エクスプローラー(5/5 ページ)

6月16日、Windows用のウェブブラウザーである「Internet Explorer」(IE)が、ついに最後の日を迎えた。幾度も延期されてきた「サポート終了」の日がやってきたのだ。

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ソフトもいつか「動かなくなる」

 ……とまあ、ざーっと歴史を振り返るだけでものすごい文字数を消費してしまうくらい、IEの歴史は「インターネットとPCの歴史」そのものである。

 ただ、読めばお分かりのように、IEそのものの功罪を語り、移行対策を立てるべき時期はもうはるか以前に過ぎ去っているのだ。

 にもかかわらずサポート終了がここまで注目されるのは、半分は(苦労させられた、という気分も含めた)ノスタルジーだろう。あと半分は、ある種のサボタージュだ。

 最後の「IE」が出たのは2013年のことだし、ChromiumベースEdgeへの移行がアナウンスされたのは2018年のこと。時間は十分あった。

 だがそれでも「動いているのだから」とそのままで来てしまった部分はある。

 最後の助け船として、Edgeの「IE互換モード」があるが、こちらも長続きするものではないし、互換性が高いわけでもない。


「Edge」に実装された「IE互換モード」

 結局、ソフトウェアのメンテナンス、という発想をちゃんと持つことが、全ての問題にとって重要なことなのだ。IEの問題が解決しても、いつの日にか、また別のブラウザがなくなる日が来る。世界中に広がったChromiumやWebKitはオープンソースだが、システムがメンテもアップデートもされずに放置されれば、トラブルに直面する日は必ず来る。

 6月16日をそういうことを思い出す「記念日」としておいてもいいのかもしれない。

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