Tesla Model 3オーナーはエネルギー危機とModel Yの登場に震撼した:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(4/4 ページ)
Tesla Model 3に乗り始めて9カ月が経過。買った時の値段から200万円が上がってしまったオーナーの気持ちは?
9カ月8500kmを乗った総合的な評価は?
本連載のサブタイトルは『走るガジェット「Tesla」に乗ってます』です。連載開始時、EVとは言えクルマを対象としたコラムなのに、こんなに言い切っていいのだろうか、という想いがありました。SNSでのコメントの中には、この言い回しに批判的な意見も散見されました。
しかし、9カ月8500kmを乗った今、このサブタイトルになんら誤りはなかったと自信をもって言えます。まさに「走るガジェット」です。タイトルを考えた担当編集者に感謝です。筆者の心情としては、車両価格の半分はTeslaでしか堪能できない独自のユーザー体験としての価値だと思っています。
その価値とは、大画面のスクリーンとその操作体系であり、定期的に配信されるアップデートであり、高性能な運転支援であり、そして、何にもまして、自動運転など、デジタル系を中心とした進化の可能性に対する溢れんばかりの期待です。まさにガジェットであり「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」です。
筆者は、かつて約20年間フランスのシトロエンに乗っていました。数々のトラブルに泣かされました。そのシトロエンを表してこう言った人がいます。「世の中のクルマを大きく分けると2種類だ。それはシトロエンとそれ以外だ」です。古いシトロエンの独自路線を表した名言だと思います。
筆者がそのようなトラブルに悩まされてもなお、懲りもせず4台のシトロエンを乗り継いだのは、ネガティブなユーザー体験に見舞われてもなお、それを凌駕する魅力がシトロエンにあったからです。
今後、2年、3年とTeslaに乗っているとトラブルに見舞われることもあるでしょう。電欠や充電渋滞といったEVならではの負のユーザー体験に遭遇するかもしれません。
Teslaもかつてのシトロエンと同じで、そのようなネガ要件を凌駕するだけの魅力を備えた「ガジェット」になる可能性を十分持っていると思います。
本稿の最後に、前述の名言を借りて「世の中のクルマは、Teslaとそれ以外に2分される」と言わせてもらいます。
山崎潤一郎
音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla
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