Metaだけではない ジャパンディスプレイ、ソニーも追う、新世代HMDの技術トレンドとは何か(7/7 ページ)
Metaが試作中のVR HMD試作機を大量に公開した。同社が突出しているように思うかもしれないが、実は他のメーカーも同じ方向で技術開発を進めている。新世代HMDはどのようになるのか、西田宗千佳さんが解説する。
課題は「バッテリーなどを含めた重さ」
ただ、究極的な問題がまだ残っている。重量だ。
MeganeXは250g、VIVE Flowは189g、Nreal Airは79gと非常に軽い。
筆者もNreal Airを日常的に使っているが、この軽さと手軽さの価値が非常に大きい。画質的にも(発色に不満はあるが)十分で、寝ながら映画を見たり本を読んだりしても負担がほとんどない。従来のHMDとはかなりの差だ。
ただ、これらの小型・軽量を謳う機器は「単体」では動かない。ケーブルでPCやスマートフォンと接続することが前提であり、処理系もバッテリーもそれらの機器に依存している(正確にはVIVE Flowはバッテリーも内蔵しているものの、本体駆動用ではなく、外部バッテリーなどを交換するときのための補助用)。
だが、ケーブルも付属機器もない「スタンドアロン型」の方が使い勝手はいいし、一般に広がるのもスタンドアロン型と考えられる。そうすると、「バッテリーや処理系を搭載した上でさらに軽くするにはどうすべきか」という課題にも直面することになり、これは簡単な話ではない。
MetaがHOEを使ったデバイスに注目するのも、レンズなどの質量を減らしつつ、デバイスを薄いものにすることに効果的だから、という側面がある。
そう考えると、理想的な「軽いスタンドアロン型」が出てくるのはまだ随分先のことになりそうだ。
だが、その前段階として「ケーブルはあるがかなり軽量なもの」と、「まだ少し重いが、以前よりも大幅に快適になったもの」が市場に現れ、使い分ける時期がある。それが、2022年からの数年間、ということになりそうだ。
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