米FCC、AppleとGoogleにTikTokアプリをアプリストアから削除するよう要請
米連邦通信委員会(FCC)のコミッショナーが、AppleとGoogleに対し、アプリストアから「TikTok」を削除するよう要請した。TikTokの個人情報に中国の親会社の従業員がアクセスしているという報道を受けたものだ。7月8日までに削除しないなら、その理由を説明せよとしている。
米連邦通信委員会(FCC)のコミッショナー、ブレンダン・カー氏は6月29日(現地時間)、米Appleと米GoogleのCEOに、アプリストアから「TikTok」を削除するよう要請したとツイートで発表した。
カー氏は書簡で、19日に米BuzzFeedが報じた、TikTokの米国ユーザーのデータが何度も中国からアクセスされていたという記事に触れ、「TikTokが両社のポリシーに準拠していないことは明らかだ」と主張した。
「アプリストアからTikTokを削除しない場合は、7月8日までに私宛に回答を送るように」としている。「中国人による米国の個人データへの不正アクセスが、アプリストアポリシーに違反しないという結論の根拠を説明する必要がある」とカー氏は書いている。
TikTokは中国ByteDanceのサービスだが、ドナルド・トランプ前米大統領政権時代の2020年、米国法人TikTokを立ち上げ、米国人のデータは米国内で扱うようにしたと主張した。それでも同年9月、米商務省がアプリストアからの削除を命じた。だが、タイムリミットとして設定した11月12日の前に大統領選でトランプ氏が敗北し、この命令は保留になっていた。その後、ジョー・バイデン大統領が前大統領の大統領令を取り消す大統領令に署名したことで、TikTok削除は免れていた。
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