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メロトロンアプリ「Manetron」、ついにAndroid対応へ 開発環境は? レイテンシー問題は?古代サンプラーがアプリになるまで(3/3 ページ)

レイテンシー問題からこれまで避けてきた楽器アプリのAndroid対応が遂に実現する?

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Google Pixelで約100ミリ秒のレイテンシー

 AmazonのFireタブレットは論外としても、一般的なスマートフォンにおいて、Flutterでの開発で今後、どれだけレイテンシーを縮めることができるのかは、チューニング次第だ。正直なところ現時点では、100ミリ秒程度のレイテンシーが確認されている。実は、筆者とbismark氏で以前共同開発したCombo Organ Model VをFlutter経由でAndroid対応にしたテストアプリがある。

 テストアプリをGoogle Pixelの新し目の端末で試したところ、100ミリ秒程度のレイテンシーであった。また、Google Pixelより性能の劣る、Galaxy A7で試したところ133ミリ秒という結果だった。

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波形の最初の山が画面をタップした波形で、実音の波形までの長さを計測した。Galaxy A7が133ミリ秒(上)、iOSネイティブ版が105ミリ秒だった

 ちなみに、iOSネイティブのCombo Organ Model Vは、105ミリ秒という結果だった。iOSネイティブが意外に遅いのには驚いたが、よく考えたらこのアプリにおいては、これまでレイテンシーなど計測したことがなかった。

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Combo Organ Model Vは、60年代のサイケデリックロックで大活躍したVOXのオルガンをシミュレートしたアプリ

 Combo Organ Model VのiOSネイティブアプリを弾いているとタップから出音まで確かに遅れを感じるが、自己補正をかけながら、コードなどは普通に弾くことができる。ということは、楽器アプリの場合、速弾きは無理でも、コード弾き程度であれば、100ミリ秒くらいならなんとかなるということでもある。Mellotronは、基本的にコード弾きがほとんどなので、現状の100ミリ秒程度のレイテンシーでも問題はないということだ。

 とはいえ、レイテンシーはできるだけ低く抑えたい。一応は、Google Pixelクラスの端末でThe Manetronのレイテンシーをどこまで低く抑えることができるbismark氏に頑張ってもらおうと思う。

 冒頭でも述べたように、The Manetronは最初にiPad版をリリースし、その後、順不同ながら、Android版やiPhone版をリリースしたと考えている。おそらく、9月頃には、お披露目できる見通しだ。ご期待いただきたい。

著者プロフィール

山崎潤一郎

音楽制作業の傍らライターとしても活動。クラシックジャンルを中心に、多数のアルバム制作に携わる。Pure Sound Dogレコード主宰。ライターとしては、講談社、KADOKAWA、ソフトバンククリエイティブなどから多数の著書を上梓している。また、鍵盤楽器アプリ「Super Manetron」「Pocket Organ C3B3」「Alina String Ensemble」などの開発者。音楽趣味はプログレ。Twitter ID: @yamasakiTesla


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