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米国立標準技術研究所(NIST)、4つの「ポスト量子暗号」アルゴリズムを選択
米国立標準技術研究所(NIST)は、量子コンピュータからの攻撃にも耐え得る暗号化ツールとして4つのアルゴリズムを選択した。同組織は2024年に「ポスト量子暗号」標準を公開する計画だ。
米国立標準技術研究所(NIST)は7月5日(現地時間)、量子コンピュータからの攻撃から機密データを保護することを目的とするアルゴリズムとして4つの暗号化ツールを選択したと発表した。
商務省下でサイバー標準を開発するNISTは2016年から、従来の公開鍵暗号に代わる強力な「ポスト量子暗号」(または「量子耐性暗号」)と呼ぶ標準の採用に取り組んでおり、2024年には標準を公開する計画だ。
今回発表したのは、CRYSTALS-Kyber、CRYSTALS-Dilithium、FALCON、SPHINCS+の4つのアルゴリズムの選択。
ジョー・バイデン米大統領は5月、量子コンピュータが実用化されるまでに既存の暗号を強化するよう連邦機関に命じる覚書を発行し、NISTや米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)にタスクを与えた。
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