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チップセットの誕生と隆盛、そして消滅へ“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る(4/5 ページ)

PCの源流から辿っていく連載の第21回は、チップセットが生まれ、消滅に至る流れを解説する。

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Intelも対抗

 Intelはこれに遅れること5年、2008年に発表したNehalemでメモリコントローラをCPUに統合する(写真4)。

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写真4:この時点ではNehalemはほぼHammerと同じ構成である

 このNehalemはサーバ向け及びハイエンドデスクトップ向けという位置付けであったが、翌2009年に投入されたLynnfieldでもやはりメモリコントローラを統合するとともに、PCI ExpressのI/FもCPU側に統合。2010年に投入されたClarkdaleでは、遂にGPUまでCPU側に統合した結果として、North Bridgeに相当するものが完全にCPU側に取り込まれることになった(写真5)。

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写真5:もっともこの世代ではGPUは45nm、CPUとIMC(Integrated Memory Controller)は32nmで構成された2ダイ構成で、これが完全に1ダイになるのは次のSandy Bridge世代である

 逆にメモリコントローラ以外の統合に関してはAMDの方が遅く、CPUに加えてPCI Expressなどまで統合するのは2011年のLlano以降となる(写真6)。

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写真6:この当時、AMDのCPUマーケットにおけるマーケットシェアは数%(というか、1%未満だった時もあったと思う)だったから、まぁ大勢に影響を及ぼすというレベルではなかったのだが

 厳密に言えばAMDはLlanoを出した後もAMD FXシリーズの製品では引き続きNorth BridgeとSouth Bridgeを必要とする構成(ただしNorth Bridgeは単にPCI ExpressのI/Fが入ってるだけ)を取っており、これが不要になったのは2016年に発表になったRyzenからである。

 とは言え、この時期AMDはCPUのシェアがほぼ壊滅していたことを考えれば、AMD FXがまだNorth Bridge/South Bridge構成であったことはほとんど問題にならないだろう。時代は2つのチップセットから、1つのチップセット(1つでチップ「セット」というのか? という疑問はあるのだが)に明確に移行した格好だ。

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