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医療業界を狙うランサムウェア攻撃、2倍近くに 身代金でデータが返ってきたのは2%のみ
医療業界を狙ったランサムウェア攻撃が2021年に前年より94%増えたとする国際調査の結果をソフォスが発表した。身代金を払った医療機関のうち、データを復旧できたのは2%という。
セキュリティ企業のソフォス(東京都港区)は7月26日、医療業界を狙ったランサムウェア攻撃が2021年に前年より94%増えたとする国際調査の結果を発表した。身代金を払った医療機関のうち、データを復旧できたのは2%という。
医療機関のうち、ランサム攻撃を受けたと答えたのは20年には34%だったが、21年には66%に増加。被害を受けた医療機関のうち61%は身代金を払ったが、データを取り戻せたのはそのうち2%にとどまった。
ランサムウェア攻撃からの復旧にかかる費用は平均185万ドル(約2億5283万円)で、業界別では2番目に高い金額だった。一方、支払った身代金の平均額は最も低い19万7000ドル(約2693万円)。復旧にかかる期間は1週間程度だった。
ソフォスによると、医療業界では治療のためデータに効率的かつ広範囲にアクセスする必要があり、通常のサイバーセキュリティ対策ができないケースや、救命のために身代金を払う可能性もあるという。
同調査は世界31カ国の中小企業に勤めるIT従事者5600人(うち医療系381人)を対象に実施した。
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