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「ファスト映画を見て衝撃を受けた」 著作権を知らず“映画愛”の表現を間違えた元投稿者(3/3 ページ)
元ファスト映画投稿者の男性が、記者に動画投稿の経緯と思いを語った。男性は映画好きではあったが著作権意識が薄く、初めて見たファスト映画に魅せられ、投稿者になってしまった。
著作権を知らず、映画愛の表現を間違った投稿者
Aさんは映画鑑賞と動画投稿を趣味としながら、すぐ近くにある著作権について知ろうとしなかった。そのままファスト映画に心を奪われ手を染めた。
「自分の趣味は映画を見ることですと言えるくらい映画が好きです。制作にかかわっている方々に対して損害を与えてしまったことに対して、反省という言葉では簡単すぎるくらい反省しています」(Aさん)
今回の件で権利者側の弁護士とやり取りをする中で、著作権についても学んだという。
「(これまで)何も気にしていなかったのが恥ずかしいというか、今自分が色々調べたら、著作権ってすごい大事だし、自分が知ろうとせずに行動していたこと、善悪を判断できていなかったのがダメでした」(同)
「自分が言い訳していることも自覚しています。知らなかったで済むことではありません。自分の『作ってみたい』『すごい』という感情だけで安易にやってしまった。(中略)今思い返せば、権利者のことを全く考えていませんでした」
ファスト映画を巡っては、海賊版漫画サイトの問題などにも取り組んでいるコンテンツ海外流通促進機構(CODA)と映画製作会社などが根絶に向けて活動している。
Aさんは、今まさに著作権侵害を行っている人に向けて次のように話した。
「ネットが身近になって、自分から発信できる立場にあるということを自覚するべきです。やっていいこといけないことを認識してほしい。知らなかったじゃ済みません」
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