「iPhone 14」シリーズ徹底比較 iPhone 13と何が変わったかチェックしてみた(3/3 ページ)
米Appleが9月7日(米国時間)に「iPhone 14」シリーズを発表した。6.1インチの「iPhone 14」「iPhone 14 Pro」と、6.7インチの「iPhone 14 Plus」「iPhone 14 Pro Max」の4機種。従来モデルと比べながら、新機能や注目ポイントを紹介する。
無印とProモデルの差がよりハッキリしたiPhone 14シリーズ
iPhone 14シリーズでminiモデルは消滅し、6.1インチの標準モデルと、6.7インチの大型モデル2種類を無印、Proそれぞれ用意するラインアップに切り替わった。2つのサイズから目的やスペックに応じて選ぶ形になる。
iPhone 14は手堅く進化した1台だ。iPhone 13 Proと同じ5GPU版の「A15 Bionic」に、大型化されたセンサーサイズと、Photonic Engineで強化されたカメラ、手ブレを大幅に抑えるアクティブモードなど、使い勝手が良いアップデートが豊富だ。衛星通信など、画期的な機能を搭載しているのも見逃せない。
一方で、円安による価格高騰も響く。ベーシックな128GBのモデルですら11万9800円とAndroidのハイエンドクラスに届く価格だ。ここで浮かんでくるのが「iPhone 13を買う」という選択肢。実は、iPhone 14発表と同時にiPhone 13が値下げされており、国内でも128GBモデルが1万円引きの10万7800円で買えるようになった。
衛星通信は現時点だと日本では使えず、日本版のiPhone 14シリーズは引き続き5Gのミリ波通信に対応しない。インタフェースもUSB-CではなくLightningだ。こうなると、A15 Bionicを搭載し、すでに高いレベルの写真撮影と4K60fpsでのHDR撮影が可能なiPhone 13で「十分」と感じる人も出てくるだろう。何より、14にはないminiもラインアップに残されており、こちらは9万2800円から購入できる(14発表と同時に7000円引き下げられた)。
iPhone 14 Pro/Pro Maxは、13 Proだけでなく14/Plusとも差別化がより図られている。SoCはA16 Bionicに刷新され、メインカメラに4800万画素の大型センサーが搭載された。Photonic Engineにより、写真品質が大幅に引き上げられるのも見逃せない。ディスプレイもアップデートされており、ピーク輝度はiPhone 13 Proの1200ニトから2000ニトに引き上げられた。昔言われた「有機ELは輝度が出ない」というのもすでに過去の話だ。
一方でやや不満が残るのが動画撮影周りだ。iPhone 14と同じアクティブモード、シネマティックモードの4K対応などは新しいポイントだが、高性能プロセッサ、高画素センサーと条件はそろいつつも、Androidのハイエンドクラスではすでに実現している8K撮影に対応しなかった。ProRes収録も4K30fpsで変化がない。
ここらへんはiPhone 15(仮称)を待って、iPhone 13 Pro/Pro Maxを選ぶのも一つの選択肢だが、あいにく13 Pro/Pro Maxは、iPhone 14シリーズ発表と同時に販売終了となった。
今回のiPhoneはさらに円安の波が押し寄せている。Appleは、7月にiPhone 13シリーズの価格を改定。1ドル131円前後にレートを引き上げたことで、最大4万円の値上げに至ったが、今回さらにレートが1ドル136円前後に引き上げられた。ここ最近の為替レートを見ると、1ドル150円が現実的になってきており、今後さらに値上げされる可能性もないとは言い切れない。注意して購入計画を立てたいところだ。
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