AIフレームワークの「PyTorch」、MetaからLinux Foundaton監督下に移行
Metaは自社で開発したオープンソースの深層学習用フレームワーク「PyTorch」をLinux Foundationの新理事会の監督下に移行させると発表した。理事会にはMeta、AMD、Amazon(AWS)、Google、Microsoft、Nvidiaなどが参加する。
米Metaは9月12日(現地時間)、同社のAI Research Labで開発した、オープンソースのPython用深層学習用フレームワーク「PyTorch」を、Linux Foundationの支援により、新たに設立する独立した「PyTorch Foundation」理事会の監督下に移行させると発表した。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebook投稿で「PyTorchは、フレームワーク上に構築されたGitHub上の15万以上のプロジェクトを持つ主要なAIプラットフォームの1つに成長した。新理事会には、Meta、AMD、Amazon(AWS)、Google、Microsoft、Nvidiaなど、多くのAIリーダーが参加する」と語った。
これにより、コードはMetaからさらに独立したものになり、米Googleや米Amazon.comなどのパートナーにも幅広い発言権が与えられることになる。
MetaはPyTorchへの投資を継続し、同社のAI研究やアプリの主要なフレームワークとして使っていくとしている。
Linux Foundationは「Metaが我々を信頼し、“passing us the torch”(PyTorchとバトンタッチするという意味の成句をかけた)してくれることに感謝する。コミュニティとともに、非常に素晴らしいものをより素晴らしいものに構築し、かけがえのないテクノロジーの世界的遺産にこれを追加できる」と公式ブログで語った。
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