「iPhone 14」シリーズ先行レビュー “円安直撃”でも購入する価値はあるか(2/4 ページ)
「ハイエンドスマホに意味はあるのか」「円安の中で高いものは手がでない」――そんな声が聞こえる中、iPhone 14シリーズが発売になる。手元には試用機材が届いているので、機能を見ながら、その価値を考えてみたい。
カメラは進化したが「スマホの上」では分かりづらい
ではどこが違うのか?
スマホといえばまずカメラ……というところだが、短時間で撮影してみた限りで言えば、「大きなサイズの作品を作る人と、スマホの中で完結する人では印象が違うだろうな」と感じた。
iPhone 14もiPhone 14 Pro/Pro Maxも、2021年までのモデルに比べると暗所性能の改善に力を入れている。カメラ部もかなり大きくなった。
結果として、写真を撮ってチェックすると、確かにかなり、ノイズやバンディングが減っている印象を受ける。
一方、それはPCなどの大きな画面で見た時、もしくは拡大して見た時の価値でもある。スマホサイズの画面内に完結してしまうと、差は分かりづらくなる。
もちろん、2020年モデル(iPhone 12世代)と比べると進化はあるのだが、使い方によっては「よく分からない」といわれる可能性は高いだろう。
年10%程度の性能アップ、性能強化は「新機能の基盤」
プロセッサの性能はどうか。
「GeekBench 5」でベンチマークをとってみると、おおむね「1年で10%ずつ」くらい性能アップしている。iPhone 14については、iPhone 13 Pro Maxに近い性能だ。というのも13 Pro Maxと同じGPUが5コア版の「A15 Bionic」を搭載しているからだ。さらに、iPhone 14 Pro/Pro Maxには、4nmになった「A16 Bionic」が搭載される。
明確にコマ落ち測定などができたわけではないが、iPhone 14は確かに多少発熱が小さくなった、というよりも「分散した」感じがある。iPhone 14 Pro Maxも放熱性能は向上しているとのことだが、両者の差はなかなか見えづらい。この点はハードの進化と言えそうだ。
一方、その性能はすぐには分かりづらいかもしれない。ストレートに性能を必要とするのはゲームくらいだろうか。
ただ、OSの進化により、iPhoneにはさまざまな機能が増えている。その中では多数の機械学習が使われるようになった。文字や音声の認識、カメラなどが分かりやすい例かもしれないが、自動車事故を検知する「衝突事故検出」も、進化したプロセッサとソフトウェア、センサーの組み合わせでできている。
iPhone 14シリーズが共通で備える機能として、動画撮影時に「アクションモード」がある。撮影時に4K動画から2.8Kの動画を切り出し、その過程で「映像のブレ」を補正して見やすくするものだ。
iPhone 14で、「アクションモード」をオン・オフして階段を登ってみた。アクションモード・オンだと細かい振動がけっこう消える
これも、性能を上げてきたプロセッサとカメラを組み合わせ、2022年のiPhoneからできること、として提供している形である。
「これでもうアクションカムいらず」とまでは言わない。もっと精度が良いものはある。だが、アクションカムを買わないような人や、日常の動画からブレを減らしたい人にとっては、かなり魅力のある機能ではないか、と感じる。
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