Twitch、人気ストリーマーへの収益分配率を下げる条件変更
Amazon傘下の実況サービスTwitchが人気ストリーマーのサブスクリプション収益の分配率を70%から50%に引き下げる。設定条件により、この引き下げの影響を受けるのは人気ストリーマーの約10%になる見込みだ。
米Amazon傘下のオンライン実況サービスTwitchは9月21日(現地時間)、現在“premium deal”を結んでいる人気ストリーマーとシェアしているサブスクリプション収益の分配率を、一定の条件で現在の70%から50%に減らすと発表した。
一般的なストリーマーの分配率は50%だが、premium dealでは70%だった。この特別契約の条件は公表してはいないが、公然の秘密となっていた。
新たな分配率は2023年6月から適用される。過去1年間に獲得した最初の10万ドルについては引き続き70%だが、それを超えた分については50%になる。
ダン・クランシー社長は公式ブログで、この変更の理由の1つとして、サービス運営に使っているAmazonのAWSのコストが高いことを挙げた。「1カ月に200時間ストリーミングする100CCU(同時視聴者数)のストリーマーに掛かるコストは1カ月当たり1000ドルを超える」という。
puremium deal契約ストリーマーの約90%はこの変更の影響を受けない見込み。つまりトップレベルの約10%には影響するということになる。
一方で、広告収入については6月に発表した新たなプログラムで、ストリーマーへの分配率を55%に定めており、クランシー氏は「人気ストリーマーにとって、(減ってしまった収益の)すべてではないにしてもほとんどを補える素晴らしい方法だ」と語った。
ストリーミングソフト企業の米StreamLabsの報告によると、Twitchでは4〜6月に960万チャンネルで56億4000万時間のストリームが視聴されたという。ちなみに米Google傘下のYouTubeのゲーム実況の同期間の視聴時間は11億3000万時間以上だったとしている。
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