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本番さながらの訓練がもたらす変化とは? 三菱地所の防災訓練に参加したデジタル防災を始めよう(1/2 ページ)

1日に三菱地所「常盤橋タワー」で行われた避難訓練を取材した。テクノロジーの進歩やテレワーク普及といった変化により、その風景も以前とは少しずつ変わっているようだ。

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 9月1日の「防災の日」には各地の学校や企業、自治体などで避難訓練や消火器の使い方講習などが行われたが、テクノロジーの進歩やテレワーク普及といった変化により、その風景も以前とは少しずつ変わっている。今回は多くのオフィスビルや商業施設、マンション開発などを手掛ける三菱地所の避難訓練を訪ね、デジタル時代の防災訓練を体験した。


三菱地所の「常盤橋タワー」

 防災の日は1960年(昭和35年)の閣議で制定された。直接のきっかけは前年の9月26日に襲来した「伊勢湾台風」による大きな被害だった。暦の上では二百十日(にひゃくとおか)に当たり、台風シーズンを迎える時期でもある。また9月1日は関東大震災の発生した日としても知られている。

 三菱地所は、前身である三菱合資会社地所部が1923年(大正12年)の関東大震災の際、竣工したばかりの旧丸ビルを中心に救護活動を行ったことを機に防災訓練を毎年実施している。コロナ禍のために中止した年もあるが、今年でなんと96回目を迎えた。

 訓練は首都圏で大規模地震が発生し、21年6月に竣工した「常盤橋タワー」で火災が発生したという想定で行われた。消火器による初期消火を試みるも火の勢いは強く、社員はビル外に避難。 逃げ遅れた3人をはしご車や担架で救出し、その後ポンプ車による放水で消火活動を行うという流れだ。


実際の訓練風景

 本番さながらの訓練を行う理由は、災害発生時に的確な行動を行えるようにするため。だから当日は実際に消火器やテント、毛布などの防災用品も倉庫から持ち出す。どこに何が保管してあるのか分からないと初期対応ができなかったり、避難してきた人を受け入れたりもできない。

 また一部の担当者しか保管場所を知らないと、実際に災害が発生して担当者がケガをしたりすると対応できなくなってしまう。なるべく多くの人が対応できるよう準備しておく必要があるのだ。

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