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民間も“無償の土地提供”で協力 「にいがた2kmシェアサイクル」に地域が力を入れるワケ(3/3 ページ)
新潟市で始まった「にいがた2kmシェアサイクル」。同市内のシェアサイクルの取り組みとしてはかなり大きなものになるが、興味深いのは、1カ所を除いて土地所有者が無償でポート用の土地を提供していることだ。地域一体となってシェアサイクルを推し進めているワケを探った。
“にいがた2km”にかける地域の思い
新潟市が市内中心部を「にいがた2km」と名付けたのは2020年11月のこと。この単語は新潟市に住んでいない人が同市に行くとちょっとびっくりするくらい目にする。今回のシェアサイクルのサービス名にも含まれているし、市内のあちこちでにいがた2kmが盛んにアピールされている。シェアサイクルのポートに民有地を無償提供とまで聞くと若干の強引さも感じなくもない。
しかし、かつては市内の中心部であったという古町エリアが今は閑散としていることや、今まさに行われている新潟駅や駅前の万代広場リニューアル工事などのタイミングを逃さずに、新潟市を盛り上げていきたいと、市職員や地域の関係者が同じ思いをシェアしていることの裏返しともとれる。
にいがた2kmシェアサイクルでは、利用開始からの30分間が無料になるキャンペーンを、事業スタート直後や10月の3連休(10月8日〜10月10日)に合わせて実施する。普段から市内中心部を行き来する地元の人にとっても、連休中に各地から新潟市内を訪れる観光客にとっても、「にいがた2kmシェアサイクル」は新たな移動手段として注目されそうだ。
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