「うわぁ〜!」 360度回転する“VR椅子”で記者絶叫 行列できたCEATECユニーク展示の正体:CEATEC 2022
「CEATEC 2022」会場の一角で人だかりを発見。360度回転する“VRイス”を使ったユニーク展示だが、実はイスの周知を目的としたブースではないという。
「うわぁ〜〜! 怖い怖い! うわぁぁ〜〜!」──3年振りのリアル開催となったテクノロジー展示会「CEATEC 2022」。会場の一角で、こんな声が鳴り響いていた。ブースの前には人だかり。その先には、横方向に360度回転するイスに座ってアトラクションを体験し、絶叫している人がいた。
アトラクションを展示していたのは、土木・建築事業者を支援するソフトウェアなどを開発するフォーラムエイト(東京都港区)。ブース前にはイスの体験を希望する人の行列もできていた。しかし、実はこのイスはフォーラムエイトが開発したものではない。代理販売などもしていないという。
なぜ自社と関連が薄い製品をCEATECで展示しているのか。アトラクションを体験しつつ、詳細を同社の田中啓太郎さん(システム営業グループ)に聞いた。
アトラクションは座っている人から見て横方向に360度回転するイスと、VRヘッドセット「Meta Quest 2」、そのコントローラー「Oculus Touch」を活用したもの。ヘッドセットには空中を飛び回る一人称視点の映像を表示。イスは映像に合わせてぐるぐると回転する。映像にはアイテムが表示されるので、体験者はコントローラーでポインターを操作して集める。
記者も実際に体験したが、正直アイテムを集めるどころではなかった。天地がぐるんとひっくり返る度に「うわぁ〜〜!」と悲鳴を上げてしまった。人前なのに。映像は下が海、上が青空なのもあって上下の感覚が希薄になりやすいのも驚きに拍車を掛けた。ただ、とにかく天地がひっくり返るので少し酔った。
田中さんによれば、この展示はフォーラムエイトが持つVRソフトウェアの開発技術を周知するために作ったという。イスもヘッドセットも他社製だが、表示する映像などはフォーラムエイト製だ。実は、同社はVRを活用したシミュレーターの開発なども手掛けており、その技術デモとして今回のアトラクションを展示したという。
実際、フォーラムエイトは他にもさまざまなハードウェアと、その機材を使ったシミュレーターなどを展示していた。例えばVR映像に対応して振動する座席などだ。さまざまなハードウェアに対応できるソフトウェア開発技術の周知に向け、今回のようなアトラクションを用意したという。
「普段は都市計画用の3Dソフトウェアや、運転手のデータを収集できる運転シミュレーターなどを提供している。当社は『Unity』や『Unreal Engine』といったサービスに比べると知名度がなく、そういったところに勝ちたいと思い、来場者の見栄えを考慮した展示にした」(田中さん)
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