河野大臣の“影武者ロボ”登場 公の場で働き、見る人の反応探る実証実験へ
国際電気通信基礎技術研究所が、河野太郎デジタル大臣を模したロボット「ジェミノイドTK」を使った実証実験を行うと発表した。公共の場での業務をロボットが一部代替し、その効果や見る人の反応を調査する。
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は10月21日、年内をめどに河野太郎デジタル大臣を模したロボット「ジェミノイドTK」を使った実証実験を行うと発表した。公共の場での業務をロボットが一部代替し、その効果や見る人の反応を調査する。
研究を主導するのはアンドロイド研究の第一人者である石黒浩教授(大阪大学大学院)。実証実験の内容は、河野大臣がジェミノイドTKを通して公共の場で情報発信するというもの。音声は大臣本人の声と合成音声を必要に応じて使い分ける。
ジェミノイドTKは高さ175cm(台座含む)、関節が52か所、計算処理は外部PCを使う。左右の眼にはCMOSカメラを搭載。皮膚はシリコン樹脂を採用した。
見る人から感想を聞き、とらえ方を調べる他、遠隔地での業務を大臣の代わりにジェミノイドTKが行うことで、大臣の移動にかかる時間や費用の削減効果をチェックする。
この実証実験は、2050年までに人間が身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現することを目的とする、内閣府主導の「ムーンショット型研究開発事業」の一環で行うもの。
本人そっくりなロボットは実在感がある一方、操作しているのが別人やAIでも、元となった本人の行動のように見えてしまう問題があるという。今回の研究では、ロボットが行ったことを操作者本人が行ったことと見なして良いのかという「本人性の問題」について検討を進めるための材料集めを行う。
今後は、世間に「本人そっくりの身代わりロボットは本人か本人でないのか」という問題を広く問いかけ、社会実装に必要な検討を進めるとしている。
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