Googleとルノー、ソフトウェア定義型自動車で提携 デジタルツイン車両作成など
Googleと仏自動車大手のルノーグループが提携を発表した。「Software Defined Vehicle」(SDV、ソフトウェアで定義された車)のデジタルアーキテクチャの設計と提供が目的。ルノーはまた、Google Cloudを優先クラウドプロバイダーに指定する。
米Googleと仏自動車大手のRenault Groupは11月8日、「Software Defined Vehicle」(SDV、ソフトウェア定義型自動車)のデジタルアーキテクチャの設計と提供を目的としたパートナーシップの拡大を発表した。SDV専用のソフトウェアを共同開発し、Renaultのクラウド移行を含むDX戦略に関する相乗効果とユースケースを拡大する。
2018年にはGoogleとRenault・日産自動車・三菱自動車との技術提携が発表されているが、今回はGoogleとRenaultのみの提携拡大。
SDVは、Android Automotiveによる制御を前提に設計する。Android Automotiveは実質的にはAndroidとほぼ同じOSでありプラットフォーム。車載ハードウェア上で直接動作するもので、AndroidおよびAndroid Auto向けアプリの双方をサポートする。
Renaultはまた、Googleを“優先クラウドプロバイダー”に指定する(これまでは主にAWSを採用してきた)。
両社は高度なAIを備えた車両の「デジタルツイン」を共同で開発し、車載アプリの開発を加速させる計画だ。デジタルツインでの仮想シミュレーションでAI機能をテストすることで、車両の運用を改善できるとしている。
最終的には運用モデル全体をクラウドに移行することで、俊敏性、性能、収益性を向上させる計画だ。
Googleのスンダー・ピチャイCEOは発表文で「クラウド、AI、Androidの専門知識を結集して安全で高度にパーソナライズされた体験を提供することで、Renault GroupのDX加速を支援する」と語った。
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